オールタイムベスト(翻訳ミステリ)
ミステリについては、小学校の図書室でシャーロック・ホームズやアルセーヌ・リュパンを読んだということは前に書いた。その後、文庫本で読むようになり、ヴァン・ダインやエラリー・クイーン、アガサ・クリスティーなどの代表作を読んでいった。ジェイムズ・ケインも割と早くに読み、当時ケインはハードボイルドに分類されていたので他のハードボイルドも読んだ。ハメットは小説よりも映画の方が印象にある。映画を観たのは大学生のころだった。ハンフリー・ボガードが出ているやつ。レイモンド・チャンドラーの最初の方も文庫本で読んだのは中学生くらいで、映画を観たのは大学生のころ。チャンドラーはあとの方の作品が優れている。最近は村上春樹が訳し直している。
ロス・マクドナルドは、最初の方は同じような印象だけれど、あとの方はミステリ的にも優れている。代表作と言われるものは、ラスト数行で真犯人が分かるようなものもある。意外な犯人ベストスリーに入れてもいいな。あとの二つは、殆どこれ一作で知られているデアンドリアと本来はスパイ小説のジョン・ル・カレのものだけれど、この辺は別のところに書いたっけ。カレのものは映画版も割と面白かったけれど、やはり最後に真犯人の顔が出るところは興ざめだった。
最近新訳で読んだものでも、ロブ・グリエやナボコフのミステリ風純文学にも大傑作があった。また、ダーク・ジェントリーものやポジオリ教授ものも、衝撃的な内容だった。しかし、ここでは、そう言った驚きがミステリの醍醐味だと知った、割と早いうちに読んだ短篇を二つ挙げておく。一つ目は、マージョリー・アリンガムのアルバート・キャンピオンもの。
ボーダーライン事件
二つ目は、オースティン・フリーマンのソーンダイク博士もの。
オスカー・ブロドズキー事件
どちらも創元推理文庫の江戸川乱歩編のアンソロジーに入っているし、その長篇などもちかごろ翻訳されてきている。アリンガムは文庫だし書店で簡単に手に入りそうだ。フリーマンの方はややマイナーなミステリ叢書のものが多いから、図書館で借りるといいかもしれない。図書館で読んだといえば、バークリーの長篇も大体図書館で読んだな。
日本のミステリについてはまた今度ということで。