オールタイムベスト(エスエフ)
オンラインアルバイトが早く片付いてしまったので。
オールタイムベストのつづき。今回はエスエフについて。
エスエフを読み始めたのはご多分に漏れずアンソロジーからだった。文庫で出ていたのでそれを読んで面白かった作家のものを読もうと思ったのだったけれど、あまりそのような方向には行かなかった。フレドリック・ブラウンのエスエフはほとんど読んだと思う。ミステリの方は短篇集は読んだけれど、長篇はハードボイルドものを一冊読んだくらいだ。好きな作家なので、なにかベストを選びたいし、選ぶとしたら代表的な長篇のどちらかということになるんだけれど、ブラウンが編集したアンソロジーを選んでしまおう。
エスエフカーニバル
これは今でも売っていると思う。これに載っていたマック・レナルズの短篇が面白かったので、同じ作家のものを読みたかったのだけれど、殆ど翻訳が出ていなかった。その後読んだ作家の中で特に面白かったのは、カート・ヴォネガット・ジュニア、ルーディ・ラッカー、ジョン・ヴァーリー、ジョン・スラデック、リチャード・コールダーあたりだが、ヴォネガットは別の文脈で語る方がよさそうだし、他の作家はややマニアックか。気には入っているのだけれど、オールタイムベストというほどではないか。
やはり抜群に面白いのはスタニスワフ・レムである。中学生のころ読んだ石川喬司の紹介本でもベストに押されていたのだけれど、当時は読まなかった。国書刊行会でハードカヴァーが出始めたころから読み始めたのだと思う。何度か映画化されているソラリスもそれで読んだのだけれど、今までどうして読んでなかったのかと思うほど面白かった。まあ、映画は観ていてそっちはいまいちだったからだろうけれど。でもベストは本当に最近読んだこれ。
インヴィンシブル
無敵という意味で、人類の奢りを象徴している。ファースト・コンタクトものだけれど、人類には結局何もできないということがテーマになっている。レムは最終的にはエスエフや人類に絶望して筆を折ってしまうわけだった。