福は内
節分だったので豆を撒いた。福は内。
豆撒きは毎年やっている。子供のころからずっとだ。毎年親が買ってきてくれて、歳の数だけ食べたっけ。このときの年齢というのは数え年のことだった。一人暮らしをしていた大学生のころもやったと思うのだけれど覚えていない。覚えていないということは例年通りだったのだと思うだけだ。
ここ十年くらいは、高級スーパーで買ってきたちょっと高めの豆を買い、顧客にも分けていた。桝を象った紙の箱に入っていて、正四面体のプラスティックに装填されているもの。やはり紙の鬼の面も付いていた。神社での祈禱済。しかし今年は、近くのスーパーでやはり正四面体のパック入りのものを買ってきて撒いた。桝や面や祈祷はついていなかった。職場ではパックのまま撒いたけれど、自宅では玄関やベランダに豆のまま撒く。そのまま放置なので、数年前のが残っていたりするのだけれど、今年は残っていなかった。
それから残りを開けて、食べるのだけれど、これはいつものより粒が小さいな。この商品は買うのが初めてだから、いつもこうなのか、今年からこうなのかはわからない。でもやはりこういうのも不景気の影響なのだろう。
恵方巻というのがある。ひところは食べたけれど、今は食べない。そもそもそんな習慣はなかった。子供のころは、節分に海苔巻きを食べたことなんてない。豆は撒いたが、食事が特別だった記憶はない。大学生のころもなかった。私が大人になってからできた風習だ。
鰯を焼いて食べ、その頭を飾るという習慣も私の育った地域にはなかったが、これは結構広く行われているようで、前に住んでいたところでも、今住んでいるところでも、やっている家はある。その際柊の葉っぱも一緒に飾るのだけれど、七八年前は、鰯を買えば自動的についてきたものだ。売り場に置いてあって、鰯と一緒にレジに持って行けば無料でくれた。それが今は置いていない。スーパーでは有料でも売っていない。花屋とかに行けば買えるのかも知れない。
とまれ。
福は内。
福は内。
福は内。