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オールタイムベストオブ読書その1

一か月後とか言っていたけれど書いてしまったので。次はいつになるかわかりません。

 少なくとも小六以降は、私の最大の楽しみは読書である。

 最初に本を読んだのがいつだったか。昔話などは、親が寝る前に話してくれたけれど、今でいう読み聞かせではなかったから読書とは言えないだろう。そう言えば、お話はいろいろしてくれたけれど読み聞かせをしてもらった記憶がない。東京こどもクラブをとってくれていたことは前にも書いた。小学校に入るか入らないかのころで、そのときは既に字を読めるようになっていたことになる。その辺りが最初の読書と言っていいだろう。

 小学校の低学年のころは、親が図書館に連れて行ってくれた。家にあまり本はなかったが、親は図書館で本を借りてよく読んでいた。そのついでに連れて行ってくれて、絵本などをそこで読んだり、借りたりしていた。絵本はすぐに卒業して、子供向けの物語を読むようになった。学校の図書室でも、子供向けにリライトされたミステリやエスエフを読んでいた。そして小六のときに文庫本との衝撃的な出会いから読書にのめり込んでいくわけだけれど、このあたりのことは前にも書いた。

 今回は五十年以上に及ぶ私の読書体験の中から、オールタイムベストを選んでいきたい。と言っても第一位はとっくに決まっている。しかももっとも最近に読んだ本だ。

 本好きの下剋上

 ライトノベルの範疇に入っているけれど、結構難しい漢字も使われているし、それだけには収まらない壮大な物語で、三十巻以上もある。本が好きで図書館の司書に就職したてのときに死んでしまい、本の殆どない世界に転生する。そこでがんばって本を作り、伸し上がって最後にはとうとう自分の図書館を作るという話。その間に、教育や社会学にも通じる内容を込め、さらに基本的にはコメディなんだけれど泣けるところもあり、最終的なテーマは家族愛という詰め込むだけ詰め込んだ物語である。諸外国語にも翻訳されていて、私はこの小説がノーベル文学賞を取るはずだと考えている。これを読んだらどうすれば平和になるかということも考えられるからだ。英語版が最後までおわったときがチャンスのような気がする。この小説の本編を、生きている間に読めて本当によかった。餓死するかもと言っていた年を越すことができたおかげだ。

 あとは何を選ぼうか。図書室でどきどきする出会いをした本とか、初めて買った文庫本とか、センティメンタルな理由で選ぶこともできるけれど、今回は本自体の価値と、自分への影響度合という理由で選ぶことにしたい。

 私に最も影響を与えた作家は、筒井康隆さんだ。次は都筑道夫か。

 たぶん中一のとき、親の帰省先にまで私は本を数冊持って行った。その中の一冊が、筒井さんが編集したアンソロジーだった。センティメンタルな理由で選ぶならこれになるだろうか。解説の文章を読んでものすごく頭のいい人だと思ったし、その中に入っていた筒井さん自身の作品が素晴らしく、それを表題とした短篇集も読んだ。このころはまだエスエフの範囲にとどまっていたのではないか。文庫本などで手に入る限りの本を読み、ほぼリアルタイムに追いついたのが七瀬シリーズの三作目だった。このあたりからメタフィクションの度合いを深めていき、新しい小説の可能性をぶつけられてきた。

 途中、断筆後に少しだけ離れたけれど、やはり戻ってきて、最後の作品集と言われる本も最近買って読んだ。短篇で、もっとも感銘を受けたのは、割と早いころの作品で、年譜だけで小説にしたものだった。短篇ではもう一作、新しい方から三番目の作品集に載っている、とにかくものすごい勢いで何もかもぶった切るようなものがいい。とりあえず、この二作のタイトルを挙げておく。

 注釈の多い年譜

 ペニスに命中

 タイトルにペニスという言葉は入っているけれど、本編中には出て来なかったのではないかな。長篇も一つ選んでおきたいけれど、なにがいいかな。文字が一つ一つ消えていくものや、虚構内人物であらゆる虚構上の挑戦をしているもの、読者参加を促した新聞連載など、いくつも思い浮かぶけれど爆笑の純文学というのがキャッチの大長篇を選ぶ。

 虚航船団

 第一部が様々な狂気を持った文房具たちの描写であり、第二部が歴史小説ではなく歴史そのものを書いたという鼬型異星人の残虐の歴史、第三部が作者の私生活まで含めたメタフィクションというもので、その一つ一つが長篇小説になっている。

 だいぶ紙数が来たので、都筑道夫については今度にするね。

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