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今日も聖女は拳をふるう  作者: こう7
戦乱の帝国にて聖女と三姉妹は踊る
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何の為ノ登場



またまた場所は変わっていよいよ本命サラちゃん。

サラちゃん御一行は現在共和国の首都まであと数日の所までやって来ていた。


逃避行分の食料だけを手に向かった為、今晩も野宿は葉っぱをかき集めて作った簡易ベッドで雑魚寝。

子供であるサラちゃんは見張りをする必要は無く母親と一緒にお休み中。


でも、近頃は毎回母にこう聞く。


「お母しゃん、お父しゃんは?まだおしごとー?」


「…………。」


自分達を逃す為に村へ残って帝国兵と戦っている、なんて事は口が裂けても言えない。


「そうよ、お父さんはまだお仕事の真っ最中よ。私達は首都で帰りを待ってましょうね。」


「………うん。」


サラちゃんの表情は何処か陰りがある。

子供は勘が鋭い。

もしかしたらなんとなくでも父親に何か起きたのではないかと感じ取ったのかもしれない。



そんな不安が過るも幼い頃の眠気に勝てない。

いつの間にやらサラちゃん御一行全員が眠りに落ちていく。




「これはこれはなかなかの効力ですね。皆さんぐっすりお眠りになられてますねぇ。さてさて噂の聖女の弱点になりうる少女はどれでしょうか?」


褐色肌の商人は闇から不意に現れる。

とても自然に御一行が眠る中、商人は一人一人の顔を確認していく。


そして、一人の幼き少女の前で立ち止まった。



「みーつけた。」



見つかっちゃった。

誰もこの不審者を止める者は居ない。


「ふっふっふ、君が女神と称される少女にどれだけ痛みを与えられるか今から楽しみです。」


そして、幼き少女は商人の腕に抱えられて闇へ消えていく。






「お前ら待たせたな!女神アリスの使徒であるこのブラッド様が来たからにはもう安し」


「誰だか知んないけどうるさい!!こっちは娘を探しているのよ!」


「……はい。」


早朝、今までの逃避行生活の中でも最も慌ただしい。

側で共に寝ていた娘が居なくなったから。


事態の恐ろしさに母親は青褪めながらもひと目も憚らず周囲へ大声で娘を呼ぶ。

気付いた周りの者達も知ったる幼き少女の名を呼び続けた。


なのに、呼んでいる最中に出てきたのがやたら図体だけでかい男。

驚きよりも怒りが出ちゃう。


「もしかしてあんたがあたしの娘、サラを攫ったの?ねぇ、そうなの?吐きなさい!!」


「い、いや俺は違う。エルドにあんたらの護衛を頼まれて急いで来たんだ。久々の出番に誓って俺は攫っていない。」


久々の出番ってとこで彼から発せられた哀愁で嘘は付いていないと分かった。


なら、娘はサラは何処に行った?


「あれ?サラちゃんのお母さん?」


もう一度娘の名を叫ぼうとした時、茂みから現れた今度は知っている顔。

首都で娘の友達になってくれた優しい少女達。



その時、母親はどうしてか分からないけど我慢していた涙が決壊してしまった。


朝日に照らされた少女達がまるで天より神が遣わした天使達に見えたからかもしれない。






ようやくサラちゃんのお母さん達に出会えた。

スゥ様の嗅覚はそこらの犬より鋭い。

でも、一番会いたかったサラちゃんが居ない。居るのは泣き叫ぶサラちゃんのお母さんとその側で情けなくオロオロするブラッドさん。


なんでブラッドさんがいる?



俺は泣き崩れるお母さんをどうにか宥めて事情を聞く。

スゥ様達はブラッドさんを茂みに連れ込んで行った。


その後、聴こえた悲鳴は聴こえなかった事にした。




事情聴取終了。

何処に居るかは分からない。けれど、居そうなまたは居所を掴めそうな場所ははっきりしている。


そうだ、帝国へ行こう。



そう決意する横で裏を牛耳る首領らしき人物が蜂に刺されたような顔と身体をしているけど、また見えなかった事にした。

あ、また茂みに連れて行かれた。俺に泣きつかれてもどうしようも出来ないよ、まぁ頑張れ。


今はサラちゃん優先だから。



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