プリティでキュアな美少女戦士2
最高の決めポーズで周囲を凍らす美少女二人(仮)。
あれほど殺伐としていた雰囲気も今だけはお休み中。
凍土に変えた張本人の一人である赤髪の少女Aは地面に手を付け落ち込む。
「や、やっぱり滑ってますわ。嫌だったんですのよこんな事するの。普通に登場して普通に殲滅して普通に布教すれば良かったですのに…ぐすん。なのに、エルドの大馬鹿野郎が登場はド派手になんて言うから…。」
いたたまれない。
今は敵も味方もなく目の前でがっつり落ち込む美少女をどうしたら良いかオロオロするばかり。
しかし、そこですかさず頭に手を添えるもう一人の美少女B。
「アンジェちゃん、あたしゃあ楽しかったよ孫と遊んでいるようで。昔はまだ幼かった孫とよく勇者ごっこをしたもんじゃよ。」
「お婆ちゃん…。」
落ち込む美少女の頭をポンポンする老…美少女BBA。
どこまでも穏やかな空気が流れる。
けれど、一人の帝国兵がようやく我に返る。
「き、貴様!我々を殲滅するだと?ガキとババア」
「「あん、なんつった?」」
「……………………はい。き、貴様!我々を殲滅するだと?美少女二人でこの人数相手に何が出来ると言うのだ!!」
この時点で負けが見えている気がしなくもない。
「ふん、べ、別に貴方達程度なんて私達二人だけで十分なんだからね!」
「な、なんだと…。」
「そうじゃ、小僧共。格の違いを知れ、神の使徒相手にただの兵風情が敵う訳なかろうて。」
「な、舐めやがって…。」
また新たに正気を取り戻した命知らずの帝国兵が吠える。
「舐めるなよ。テメーらみたいな仮面を付けたブスとババアになんか負けきゃいん!?」
彼はせっかく正気を取り戻したのにまた正気と意識をドブに投げ捨てられてしまった。
目にも止まらぬ速さで美少女Aは顔面へ飛び膝蹴り、もう一人の美少女BBAは下半身の大事な部分へ毒々しい薬液をぶっ掛けていた。
戦い慣れしているはずの帝国兵達はその動きに追い付く事が出来なかった。
早々に脱落した男は鼻血だらけの顔を押さえるよりも股間を必死に押さえてのたうち回っている。
「あ、あぁぁ…痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い痒い」
「ほっほっほ、痒かろうて。それは儂の特別製でのう、半永久的に痒いままじゃ。儂のお手製痒み止めでしか治らんぞ。」
「全く美少女二人に失礼な物言いですわ。それは酷い暴言を放った貴方への罰ですわ、しっかり反省することですわね。」
ニタリと恐ろしい笑みを浮かべる二人の美少女戦士。
思わず村人も帝国兵も仲良く両手で下半身の大事な宝物を優しく守る。
「き、貴様らこのような事をしてただで済むと思うなよ!お、お前ら怯むな、あの美少女二人を殺れぇい!!」
「「「お、おおー!!!」」」
腐っても兵士。
怯える心を懸命に隠して二人の可憐な美少女戦士へ。
剣を向けて突撃する。
「まぁ野蛮ですこと。くらいなさい、『高圧』!!」
仮面の奥からギランと光る瞳。
それを見たのか見ていないのか分からない。けれど、あんなに動いていた足が止まってしまう。
あの極悪役令嬢並みの威圧を浴びたら当然の事なのかもしれない。
「ほっほっほ、足を止めたお前さんらには儂からのお年玉じゃ。ほれ、受け取れい!」
美少女BBAは曲がった腰を一瞬シャキッと伸ばして両手を全部使って身動きの取れない兵士達に向けて何かを投げた。
それは黒い丸薬。
どんな効果があるか不明。
その沢山の丸薬は綺麗に兵士達それぞれの鼻の中へ入っていく。
入れられた兵士達は次々と倒れていく。
何が起きたか分からない他の兵士は困惑するばかりだ。
「な、何が起きた…。」
「ほっほっほ、それはのう何日も発酵させた魚とあらゆる動物の糞と一緒にすり潰して丸めた物じゃ。常人なら臭さのあまり意識を手放すじゃろうてな。」
「こ、このなんて卑劣な…。」
零れ出た言葉に美少女戦士ズはまた気味悪く笑う。
「「善き心には慈悲を、悪心には絶望と調教を。それが女神アリス様の教えである。光栄に思え、お前たちはこれからアリス教の信徒となる為の調教を施してやる。涙を流して喜び今までの行ないを悔い改めよ。」」
圧倒的人数差なんて関係ない。
広がる恐怖に誰も抗えない。
彼らはその日絶望を知り、そして新たな世界を知らされてしまった。




