会議は賑わい、終わりが歩む
ちょっと前の楽しいお祭り騒ぎが今や不安と厳重警戒の大騒ぎ。
突如として帝国からの共和国に対する予告なしの宣戦布告。お城は重苦しい雰囲気に包まれてしまった。
現在、国の重大事を決める会議場………の扉に耳を当てて聞き耳をしている。
子供は参加出来ない。
扉の前にはもちろん騎士が居たよ。
でも、堂々と盗み聞きしに来た俺らに注意しようとした騎士たちはスゥ様やミーナちゃん、ロコルお姉ちゃん、何故かノルン様の顔を見た瞬間、ビクビクっとなって俺らを見てみぬ振りをしてくれるようになった。
いったい、騎士たちは何を目撃したのだろう。丁度偶然偶々俺には背中が向いてたので顔を覗えなかった。
気になるけど聞かないよ、だって本能が止めとけってうるさいもん。
だから、どうしてか怯える騎士たちを置いといて早速扉に耳を付ける。
そして、聞こえてくる会議の喧騒。
「陛下、すぐに兵を帝国との国境に向けて出兵致しましょう。」
「待てここは守りを固めるべきであろう。万全に待ち構えるのが得策ではないか?」
「しかし、それでは周辺の村や町が侵攻されるではないか!まさか各々の領地の私兵で対応しろというのか?」
「そうするしかあるまい。」
「ふざけるな!そんなの大軍に簡単に潰されて終わりじゃないか!!」
すげぇ白熱している。
いきなりの大きな戦いだもん、動揺もかなりのはずだ。
様々な意見が飛び交って、纏まりそうな気配が無い。
王様は黙って周りの声を聞いているみたいだ。
「お姉様、やっぱり戦争は確実なんでしょうか?」
「うーん村娘出身の私には分からないけど、沢山の帝国兵が迫って来てるなら戦いになるだろうね。」
「お姉様、ミーナ怖いでしゅ…。」
瞳をうるうるさせて上目遣いで震えるミーナちゃん。
なんで語尾がたどたどしいの?
「大丈夫だよ、ここの騎士達けっこう強いし。」
「ですが、帝国はどうして何の宣言も無くいきなり侵略行為を始めたのでしょうか?奇襲による戦力差を埋める為でしょうか?」
勝つ為の手段で奇襲。
相手に準備をする暇を与えない。
それとも、単純に戦力が整ったからじゃあ殺るかってなったのか。
俺には分からない。
現状で分かるのはただ一つ。
このまま呑気に終わらない話し合いをしていたら確実な絶望が待っている。
さて、王様はどうする?
「皆のもの静まれ。」
決して声を大きく発した訳ではないのにあれだけ言い争いしていた重鎮達は皆静かになり一点を見つめる。
「まずより綿密な帝国兵の動きを知る為に隠密を向かわせる。そして、進路が予測出来次第すぐに兵を送る。それと外務大臣そなたには近隣国に助力を、私が一筆したためる。それと宰相、冒険者ギルドに依頼を金は惜しまん。他の者達は各地の領主達に此度の件を至急知らせよ。よいな?」
「「「はい!!!」」」
おぉ流石王様、冷静にテキパキと指示を出している。
これなら案外帝国を返り討ちにしちゃうんじゃない。
ひとまず会議は終了みたい。
未だ震える騎士達にお詫びを言って部屋に戻る。
この国の方針はとりあえず分かった。
でも、余所者の俺達はこの後どうなるんだろうか?
「そなた達はもうシェアローズに帰られよ。ここがいつ戦火に巻き込まれるか分からんからな。ただ…」
どうやら巻き込まれる前にお国へ帰りなさいって事になったみたい。
お城の客間で王族組とディーナさんにシェアローズ組が集合したらそう言われた。
告げた王様はまだ何か言いたげにトワレ様とノルン様を見る。
「どうかトワレとノルンを共にシェアローズへ連れて行ってくれないだろうか?」
王様の苦渋に満ちたお願いが重苦しい雰囲気を生み出していく。




