暴風警報発令
サラちゃんとの誕生祭が終わった。
他国で出来た新しいお友達、アルフを脅してでも村に遊びに行こうっと。スゥ様達もアルフや国王へ一緒にお願いしてくれるみたいだから助かるよ。
目印代わりの川が近くに流れているらしいから迷うこともないだろうし、早く次に会うのが楽しみだ。
それから誕生祭は更に3日続き、最終日ももうすぐ終わる。
結局、殆どを屋台のお肉巡りに費やした気がする。
それ以外はディーナさんやトワレ様王女組とのお茶会をようやく行なえたり、エルドの馬鹿野郎が誕生祭真っ只中の広場で大々的に演説しているのを目撃したり、寝込みを襲われたり………あれ、日常とあまり変わらない?
サラちゃんとのひとときが愛おしいほど日常が非日常。
初めて出会った時の皆は何処へ行ってしまったのだろうか。
少なくともエルド馬鹿は謎の白装束軍団を従えていなかった。
少なくともスゥ様達は俺の下着を片手にベッドの下から這い出てくることは無かった。
サラちゃん…。
お別れしてたった数日なのにもう恋しい。
それだけ正常な人に飢えているんだ。
だから、俺行きます!
誕生祭が終了してもう王国へ帰るだけ。
でも、少しの寄り道をしたってええんじゃないか。
そこでフォルクスさんに相談。
「フォルクスさん、ご相談したいことがあります。」
「……なんでしょうか、聖女様?」
「実はかくかくしかじかでサラちゃんがしかしかのがくがくです。」
「川が目印の村ですか…。この近くの川となると東へ3日ほど進んだ所にありましたなぁ。その付近に村があるのでしょう。」
「フォルクスさんお願いします。もう一度友人に会いたいので少しだけ私の我儘に付き合って頂けませんか?」
真摯に頭を下げる。
本来の帰路予定から外れる行為。怒られる覚悟で許しを乞う。
「………………分かりました。折角出来た出会いです、大切にした方がよろしいでしょう。では、準備出来次第村へ向かいその後王国へ帰りましょう。」
やった、癒やしに会える!
やっぱりフォルクスさんは良い人だ。
ここを去るのは2日後。
そこから3日掛けてサラちゃん家を目指す。
待っててね!
そして、怒涛の出発準備時間。
荷物をまとめたり、お土産を買ったり屋台に突撃したりと忙しかった。
あと、ちゃんと寝込みも襲われている。
そんな準備の果てにもう2日後。
出発はお昼頃。
共和国王族組とディーナさんとの最後の朝食。
なんだかんだでこのお城での生活は割と居心地が良かった。なんせ信者が居な…少ないんだもの。同じ聖女であるディーナさんが居てくれたお陰かトワレ様やセイル様に感染は見られなかった。
ノルン様は……現時点で分からない。
ある日を境に目をキラキラ輝かせて俺を見てくるようになった。だけど、まだ違うと思う思いたい。
食事中の現在進行形でも輝かせているけども…。
俺がちょっとした恐怖を感じる最中、事態の急変を案内する出来事が駆け足でやって来た。
始まりは一人の兵士が半ば飛び込むように朝食の場に現れた事から。
「へ、陛下!大変です!」
「おい、食事中であるぞ。」
「申し訳ありません…ですが、一刻の事態であります。」
「一刻の事態だと?」
「はい、伝令致します!国境警備隊より帝国側から多数の兵を確認致しました!」
戦いの鐘がゆっくりと鳴り響く。
悪魔のような嵐が共和国に狙いを定めて襲い始める。




