騎士団との楽しいお遊び3
俺の前には3人の騎士が。
手には模擬戦用の木刀を所持している。
ただ本当に俺と戦っていいのかまだ困惑しているご様子。
見た目がか弱く繊細な少女だもん仕方がない。
「あの、そんなに畏まらず思いっきり向かって来て下さいませ。」
「あぁ、すみません…。巨人のように大きく岩を食らうなんて聞いてたものでして、まさかこんな幼い少女とは思っていませんでした。」
青筋がピキリ。
本当に誰だよ音も葉もない嘘を流した奴は。
変な評判を振り撒いた奴はお会い次第タコ殴りの刑に処すと決めた所で、セイル様から開始合図が発せられた。
「それでは、始め!!」
始まったのにも関わらずまだ攻撃して来ない3人。
こんな女の子に剣を向けるのは躊躇われるのかな?
でも、その油断と甘さが命取りだよ。
戦う気が無いならさっさとご退場願おう。
一呼吸の間に距離を詰めて真ん中のお兄さんの顎目掛けて掌底を放つ。
空高く舞う退場者をポカーンと見送る残りの退場予定者。
だから、すぐに警戒しなきゃ。
地面に円を描くように足払いをする。
仲良く転んだ二人の即頭部へ足を可愛らしい音表現でコツンと当てたら、はい終わり。
最初の挑戦者達はこれにて終了。
戦況を見守っていた他の騎士達はセイル様以外全員驚愕に染まっていた。
どうせ俺が噂通りの人物ではないと高を括ってたんだろうね。
「いやー流石アリス殿、鮮やかな手際でつい見惚れてしまいました。それと私の不出来な仲間に優しい手心を加えて頂きありがとうございます。これで他の者達も気を引き締めてくれると思います。」
「いえいえ、せっかくの試合ですもの。本気じゃなければつまらないですから。」
セイル様と仲良く笑い合う。
笑い終わればキリッと隊長の顔に戻った。
「さてお前達、これでこの方の認識がちゃんと改まっただろう。以降は真剣に挑むように。いいな?」
「「「はい!!!」」」
そこからの試合は騎士の方々と相談しながら行なわれていった。
本当は全員で掛かって来て欲しいけどそれは自尊心が流石に折れるそうで断られました。
それでも5人だったり10人だったりと戦う事が出来た。騎士との戦闘で厄介なのは統率力。
やっぱり単体よりも複数だとその厄介さが如実に出て楽しい。
「あの聖女様、複数人に囲まれてすこぶる笑顔だぞ。」
「あぁ、ニッコニコで顔面を殴り飛ばしている。殴られたあいつ今度結婚するんだって言ってたのに…。」
「同情している場合かよ。次は俺達の番だ。ひとまず遺書を書いとこうぜ。」
「「あぁ…。」」
青ざめたり白くなったりする騎士団一行。
そんな事は露知らず俺の高揚はどんどん高まっていく。
そして生きた死体(騎士)が散らばる中、残りは副隊長とセイル様。
何か手紙を書いたり天に向かって祈りを捧げる者達の中でこの二人だけは唯一しっかり俺を観察していた。
勝利に貪欲な人は俺の大好物だ。
さぁ、戦いましょう。




