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今日も聖女は拳をふるう  作者: こう7
他所の聖女と異界の勇者
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初めての異国



辺境伯の町から数日。

ようやく王国と教国の境目とやって来た。

境界線上ともありそれぞれの国の兵士が駐屯している。

決して仲が悪いとか関係なくお互いの領土をはっきりとさせる目的らしい。

ただ嬉しいことに俺への対応が違っていて新鮮。


どういう訳かシェアローズ王国の兵士達は辺境にも関わらず俺を見る目が信者のそれと同じだ。

以前、大量の魔物に襲われたヤルタ出身出の者が多くここに在席しているそうな。家族を助けて頂いた恩義と聞き伝えられた逸話に深く信仰心を植え付けてしまったみたい。

この国は酷い病に侵されたようだ。そのうちオーロラル神に変な宗教を作ってんじゃねぇって怒られないか心配だよ。



それで一方の教国側の兵士は、ちゃんと聖女である俺に対して礼儀を弁え一歩引いた対応をしてくる。決してこちらのように聖女様ハァハァしてくるような病気を巣食ってる様子はない。むしろ畏れ多く近寄り難そうにしている。


まぁ世間一般の聖女ってのは貴族ばかりと聞く。貴族ってだけで近寄り辛いかもね。

でも、俺はただの平凡な平民でちょっと聖女なだけ。怖くないよとニコリと笑っておく。

そんな俺の微笑みに驚くように目を見開くものの、事前に教国側へ連絡を通しているので何事も問題なく通させてもらう。




ここがもう他国か。

大地はどこまでも変わらないからあまり違う国って実感は無い。


けれど、そのうち町にでも訪れれば確実に実感が湧いてくるだろう。

オーロラル教国聖都までおよそ一週間ちょっと。

待っていろ勇者よ、良ければ御相手して頂けると嬉しいです。




そして、馬車が進むこと初めての異国の町へと到着。

前の巡礼の時と違って滞りなく進んでいる。守られる者としては喜ばしき事だけど少々拳が寂しい。

毎晩攻めてくる姫様を絞め落とす以外で身体を動かせてない。

ちゃんとした相手と運動したいな。



そんな想いを募りつつ町に入る。

検問する兵士達には伝わっているようで仰々しく俺達一行を迎えてくれたけど、町の人達はどっかの貴族が通るのかなぐらいにしか見ていない。

とても新鮮。

いつも片膝をついて祈りをしながら待機する信者達もいない。

頬を赤く染めて同性を見ているとは思えない女の子達もいない。いや、隣に一人いた。



教国にも聖女がいる。

教国は聖女も勇者も居てお得だね。


この国の住人にとって他所の聖女なんて大して興味ないのかもしれない。

この国でなら重度の精神病に陥る人達は出ないだろう。



ホッと小さく息を吐き、馬車の窓から町並みを見る。



立ち並ぶ屋台。

ご近所さん同士で談笑を楽しむおばさま方。

かけっこする子供達。

演説をするエルドさん。



国は違えど外に映る景色は似たりよったりなのかもしれない。

ふー………シーナさんちょっと馬車止めて貰えますか?

お願いします、至急の用事が出来ました!



俺のお願いも虚しく、馬車は無情にも本日お泊まりする宿屋へと向かうのでした。


エルドさん、待っててね。

勇者の前に貴様を殴る。



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