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今日も聖女は拳をふるう  作者: こう7
巡礼と唸る拳
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番外編 ロコルのお仕事2


逃げ場のある密室へと連れ込まれ大きな男性と見つめ合う。

訳すとただいまギルド長とアリスちゃんの資格剥奪の件でお話し中。

幸いにもこの方は聖女様が誰かと知っており私がその付き人という事も存じているご様子です。

なら話が早い。



「率直に申し上げますとアリス様の冒険者としての資格を剥奪しないで頂けますか?」


「剥奪?あぁ、そういえば巡礼中だったな。」


「はい、巡礼中のため冒険者活動が出来ておりません。このままでは戻って来た時には冒険者では無くなってしまいます。」


「しかしなぁ、幾ら聖女様だからといって規則を破る訳にはいかんだろ。誰であっても公平性に欠けてはいかん。」


なかなか頭の堅いお方です。

アリスちゃんなら規則なんてぶん殴ってでも破りますのに。


「お願いします。日々聖女様としての活動でお疲れの中、唯一冒険者として魔物と闘うのが癒やしとなっております。」


「いや、魔物との闘いが癒やしってどこの戦闘狂だよ。それに聖女様ってなら裕福な暮らしが約束されているだろう?わざわざ危険に身を任せなくとも豪勢に過ごせば癒やされるだろ。」



全くこの方はアリス様を理解していない。

どうせ小さい女の子の一時的な我儘ぐらいにしか思っていないのでしょう。

実際に本人の実力を知らなければ分からないのもあると思いますが。

例え金貨を何千何万枚と積まれても目の前のゴブリンを選ぶような御方。

貴族のような豪華絢爛な生活も過ごしていない。治療も無償で行ない、特に何かを望むこともない。強いて言えば戦いですけど…。


利益不利益など一切考えず助けを求める者の手を笑って掴む優しい人。


だから、そんな尊き御方の可愛い悩みを私はなんとしても成し遂げたいのです。


「規則なのは十分に理解しております。ですが、どうかお願いいたします。」


「しかしなぁ…。」


まずは真摯に頭を下げ心から訴える。

しかし、簡単には顔を縦に振ってはくれません。

なので私は提案してみる。


「一つご提案がございます。アリス様を7等級まで上げれないでしょうか?そうすれば二週間に一度の依頼を達成はしなくて良いはずです。どうでしょうか?」


「どうって…。そう簡単に上げれる訳が無いだろう。他の頑張っている冒険者に失礼だろうが。それに上げるには実力が無いといかん。自身の実力に見合った等級でなければすぐに死ぬぞ。」


やっぱりアリス様の戦闘力を知らない人ですか。

それに実力以外にも上げる方法をわざと濁すなんて酷いですね。


「ふふ、人が悪いですね。他にも上げる方法がございますよね?例えば身分の高いお方からの推薦状があればとか。」


ギルド長はジロリと私を睨みます。


「俺はその方法は好かん。無駄に上げて無謀な依頼を選んで無駄死になんてさせられるか。」


この人は口調に粗暴さがあるものの優しい方ですね。

ですが、今回は無理矢理でも通します。

私は6枚の推薦状をテーブルに並べる。


「こ、これは…殆どの王族からの推薦状に騎士団長に宰相様からのもあるだと…。」


「もちろん全て本物です。さすがにこれ程の方達からの推薦を無碍には出来ませんよね?」


これらの推薦状はアリス教の本拠地に訪れたスフィア様にお願いしました。

皆いいよーと二つ返事で了承して下さったそうです。


「ぐっ…確かに無視出来んが…。」


まだ渋りますか。

アリス様のような可愛くて小さな女の子を心配する気持ちは分かります。

だが、押し通る。


「では、こういたしましょう。アリス様が巡礼からお戻りになられたら等級を上げるにたるか審査して下さい。もしギルド長の判断で駄目ならそのまま資格を失効しても構いません。どうでしょう?」


アリス様が審査で戦えて資格も現存で一石二鳥です。


「…………はぁ、分かったよ。あの聖女様には冒険者達の治療も喜んで施してくれるから、危険な目には遭わせたくないんだがな。」


本人が望んでおりますから。



こうしてひとまずの保留を勝ち取りました。



後日、めでたくアリスちゃんは7等級に昇格しました。

傍ではこんな小さい子供にと両手を地面につけ項垂れるギルド長がいたとかいないとか。


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