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異能研  作者: 大和
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初任務(1)

「さて、早速本日の任務の話だが。」

「えっ、今日からですか?」

「当たり前だろう。犯罪者は待ってくれないからな。」

「たしかに……。」

いきなり任務に参加することになってしまった。目覚め始めてはいるらしいが、まだ異能力など使えない僕に何ができるのだろうと不安を隠しきれずにいると、

「海斗くんは今日は見学だけしていってくれ。私達の仕事内容をその目で見て欲しい。」

と支部長が言ってくれた。

「それでは今日の任務内容を説明します。」

白川さんがホワイトボードの前で説明を始めた。

「今回は、昨日起こった女子高生の失踪事件の現場に、異能力の痕跡が発見されたので、その調査を行います。また今回は囮作戦を行い、犯人が現れればその身柄を確保し、拘束します。作戦内容は、川崎が囮となり、支部長と厚木を隠しながら事件現場で調査を行います。厚木はセンサーを張って、常に索敵を行い、犯人がその場に現れた場合、隠れていた支部長が拘束する。というものです。よろしいですか?」

なるほど、現場検証と犯人逮捕を一度にやろうと言うのか。合理的だ。

「ええ〜!? 私囮ですか!?」

「なんか文句あるか?」

「……ないです。」

「よろしい。」

川崎先輩は泣きそうな顔で抗議するが、支部長が僕の肩に手を置きながら威圧すると、おとなしくなってしまった。

「大丈夫だろ! 俺たちもいるしな!」

部長と厚木先輩が川崎先輩を励ましたが

「海斗くんの件に関しては、1人ずつペナルティを用意してあるから、覚悟しておくように。」

と支部長が言うと、2人ともやはりおとなしくなってしまった。

「海斗くんは白川と春日と相良の3人で護衛する。いいな3人とも。」

「わかりました。」

3人が頷く。僕も

「よろしくお願いします。」

と頭を下げた。

「海斗くんには、本日の任務遂行人の能力を詳しく説明しておこう。」

「支部長、私達は一度見せているので、私達から説明します。」

「わかった。」

川崎先輩は僕に、自身と厚木先輩の能力について教えてくれた。

「この間見せたように、私は触れたものを見えなくすることができるのだけど、あれは存在を薄くさせているの。」

「存在……ですか?」

「そう。簡単に言うと、空気を薄くするの。ほら、クラスにもいるでしょ?空気薄いやつ。それを自由に作るのが、私の能力。ちなみに加減することができて、あの張り紙は能力者には見えて、普通の人には見えないくらいに調節してたわけ。」

「異能力者は、普通の人よりも第六感が優れていて、その境は明確なんだ。ここからは見えなくて、ここからは見えるという一線がしっかりとあるんだよ。」

厚木先輩が補足で説明を入れてくれた。なるほど。

ただ勘が鋭いだけではあの紙は見つけられないのだ。

それは驚いたことだろう。そんな装置を用意して待ち構えていたのに。なんの能力も持たない僕がひょっこり入って来たのだから。

「厚木先輩の能力は大体はもう見て分かったと思うけど、自分が触ったものや訪れた箇所にセンサーを仕掛ける能力よ。このセンサーは優れものでね、直接触れずとも視線や意識を向けるだけで反応するの。すごいでしょ!」

「蜘蛛の糸を物や場所に垂らして、自分のところまで伸ばしておくイメージだね。匂いを嗅がれたりしてもわかるし、触れられれば相手がどんなものかも判別できる。」

2人ともすごい能力だ。川崎先輩は物を隠すスペシャリストだし、厚木先輩のテリトリーでは、自分の行動は筒抜けだ。

「すごいです! おふたりとも!」

「えへへ〜それほどでも〜。」

川崎先輩が素直に照れた。天使か。

「最後は私だな!」

支部長の能力か、こんな人達をまとめ上げる人だ。どんな能力なのだろう。

「速くなる!」

「え?」

「それだけだ! それではいくぞ!」

支部長は行ってしまった。









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