優雅に広がる青い天空を見据えて・・・・・
初の切ない物語を書いてみました。ってか、これで切ないなんて言えるんでしょうか・・・・・。ちょこっと考えますが、まあ、スルーしてくれたら嬉しいかなー。
とりあえず、今じゃ、これが限界なんです。許してください。
それと、ちょこっと変更しましたよ。
いつも、僕は悲しいとき、嬉しいとき、どんなときでもここにいた。
どんなときでも僕のそばには一本の・・・いや、一人の桜があった。
僕にとっての友達は桜一本だった。
桜一本だけだった。
今日もまた、僕は桜の前にいた。
悲しい事をつげに来たのだ。
桜は、それを聞いてどう思うんだろう。
桜は、それを聞いて、どうなるんだろう。
「ねえ。桜・・・・。」
僕はいつものように桜抱くような恰好で、決心して桜に語りかけた。
「今日は・・・・もしかすると僕がここにこれるのは最後になるかもしれない。」
最後の方は聞き取れなかったかもしれないと自分でも分かった。
見る見る声は小さくなったからだ。それでも桜はいつものように僕の頭に話しかけてきてくれた。
『そうなの・・・・。それは残念だわ。でもね。私と君はいつまでも一緒なのよ。さあ。このもう一人の私を貴方は持っていって。これを貴方の好きなところに埋めてちょうだい。芽がでた私はいつでもそれを通じてみているわ。だからもう泣かないで。君は人間の男の子なんだから。こんな枯れ桜なんかのためになくのは、そんなのおかしいわ。私を植えたら、私のことを、忘れてくださいね。』
桜から一本の枝が落ちてきて僕の頭に落ちてきた。花びらが沢山付いた、綺麗な枝だった。
「桜・・・・。・・・・。ありがとう。」
僕はそれしか言うことが出来なかった。
あれから十年、あの子は私を忘れてしまったわ。そう。それでいいのよ。これであなたが私に二度と会えなくても、悲しまなくてすむ。
でもきちんと君は私を植えてくれた。だから私は、貴方のことをいつまでもみているわ・・・。けれども、出来ることなら私はもう一度貴方に会いたかったわ。もう一度だけ。もう一度だけ、あなたが抱擁して、語りかけてくれるのを、心のそこで、待っていたんでしょうね・・・。私は、もう二度と、あなたに会う事はでないんでしょう。散々忘れてといったのに、こんなこと望んじゃいけないんでしょう。けど、言うぐらいタダよね。
もう一度、私はあなたに会いたいわ。
私はあなたに・・・・。
私・・・・わ・・・・あな・・・た・・・・・に・・・・・。
その日、桜は工事のため、切り倒されてしまった。そして・・・・
桜は、最期の一瞬まで僕をみていた。
僕は大人になり、記憶をたどる旅に出たとき、ふと、桜のことを思い出し、桜の場所を訪れたが、すでに桜はなく、店が建っていた。
昔、少年だった僕は泣いてしまった。そんなとき、どこからか桜の花びらが、僕の周りに舞い落ちてきた。何処にも、はえていない桜の木から、桜の花びらが。
桜は、僕のことをみていてくれたのだろうか・・・。
僕は空を見上げた。空は紅に染まり、桜の花びらは、僕の周りを取り囲むように、一枚一枚、生きているかのように、僕を取り囲んで、慰めてくれた。
そして、一度強い風が吹き、桜の花びらは、偶然にも、文字を作った。
私は、何処からでもあなたを見ているわよ。もういい大人なんだから、なかないで・・・・。
「桜。僕は君のことを忘れていたけれど、君は僕のことを覚えていてくれていたんだね。」
僕は手に落ちてきた桜の花びらを、優しく包み込むようにして抱いた。
桜が話しかけてきてくれたのは僕の思い過ごしかもしれない。
桜が僕を取り囲んだのは単なる偶然なのかもしれない。
でも、僕は今でもきちんとあの桜がお守りみたいに、肌身離さず持ち歩いている。
今度は桜を忘れないように。
いつまでも、いつまでも・・・。
桜が忘れても、僕が忘れないように。
昔、小さい子供だった僕は、大きく、何処までも優雅に広がる、青い天空を、見据えた。
「今でも君は、僕を見ているのかな・・・・。」
どうでしたか・・・。面白かったらいいんですけどね。感想、お待ちしてます。次回作はーーーーー短編ではないことは確かです。よかったら僕の他の作品も見てもらえたら嬉しいかと・・・。以上、和呼之巳夜己でしたー。ジャ、切り裂きジャックとかベツの作品で!