表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫とヴァンパイア  作者: 桜騎
本編
13/50

お弁当

「・・・ん! ・・・れん! ・・・聖恋! 」


何・・・? うるさすぎて、私は仕方なく目を開ける。


「あれ、イオ?どうしたの? 」


イオは少し青ざめたような、そして少し怒ったような顔をしていた。

・・・全く意味がわからないのだが・・・。

状況を掴もうと辺りを見回すと、明るいと思っていたのは辺り一面がシーツに覆われている保健室だったからなのだ!


「私、何でここにいるの? 」


「覚えていないのか? 聖恋は屋上に繋がる階段から落ちたんだ! その・・・・・・俺たちのせいで」


・・・だからか。さっきからずっと後頭部が激しく痛んでいたのは。


「何で? イオは何もしてないよ? イオは信頼してるし・・・。心配してたのはヴァルの方だよ! だって、ヴァルをほっといたら、何が起こるかわかんないんだもん! 」


「いや、俺が悪いんだ。聖恋に何も言わずにヴァルを連れ出したんだ。ヴァルを、屋上に・・・」


私は目を剥いた。イオが自分勝手にそんなことをするのは意外だったからだ。まさか、人間界にも慣れて、人間界の基本的なマナーも覚えたイオが、私が起こりそうなことを少し自らやるなんて・・・。・・・でも、だからと言って、イオをいきなり怒るような真似はしたくない。イオのことだから、何か理由があるはずだ!

私は出来るだけ優しい笑みを浮かべて訊いた。


「・・・でも、何か理由があったんでしょ? イオはもう、そんなことを考え無しにすることはないと思うし・・・」


「聖恋・・・」


イオは涙ぐむと、ガバッと頭を下げた。

「すまない、聖恋! 理由はあるけど・・・今はまだ言えない! 」


それを聞いて安心した。イオは、イオなりにちゃんと考えて行動してるんだ。それなら・・・今はなにも聞かずにおこう。


「いいよ、そんなの・・・イオはろくでもないことを企むような手のかかるやんちゃボーイじゃ無いでしょ?ちゃんと理由があるって、わかってるから」


「あぁ・・・」


「ところで、今は何時? 」


「11時半だ」


「そっか。もう少しでお昼だね! じゃあ、ヴァルを捜そう! 」


イオは無言で頷いた。


「・・・? 」


イオ、いつもは「あぁ」とか言いながら頷くのに、どうしたんだろう? そーゆう気分じゃ無いとか? 気のせいか、さっきよりも赤くて、もっと怒っているような顔になった気がする・・・。


「ヴァルー! どこにいるのー!? 」


「ヴァルーー! 」


● ● ●


さっきから、私ばっかり叫んでいる。しかも、イオの姿はみんなには見えないから、一人で叫んでいる変な人、みたいに見られている気が・・・?


「ちょっと、イオ! イオもヴァルを捜してよね! 」


「・・・んあ! そうだな、すまない。ぼーっとしていた・・・」


「そう? 大丈夫? 」


そう言いながら、私はヴァルを捜しに戻る。

その時。

私のお腹が鳴った。一瞬で私の顔は火が吹いたようになる。


「お、お腹が・・・。そ、それに、なんだか喉も乾いて・・・」


見ると、イオはヴァルを無言で捜している。無言で捜しても、物じゃないから動くし、呼ぶしかない気がするが・・・。しかも、無言で草木の間をかき分けて捜すって、どんなことしてんの!? ヴァルは熊かなんかか!

・・・でも、あんなに真剣に捜しているのに、全く見つからない。

もうお腹が限界になっている。私たちはさっきから1時間もヴァルを捜しているのだ。


「イオー! もう捜すのやめて、先に食べよっか! ヴァルの分はとっておいて! ね? 」


「あぁ、そうだな。そうしよう! あいつは別に捜さなくても心配はいらない。絶対に生きてニヤニヤしながらイタズラをしているのだから」


「そ、そうね」


イオの言い方は凄く自然だ。・・・きっと、これが幼馴染の証だろう。

少し羨ましく思いながら、私はお弁当を食べた。

こゆにちは、桜騎です!今回は聖恋が目覚めて、ただお弁当を食べるだけで終わりました。事件・・・というか、聖恋の最大の悩みが、次話で生じます。楽しみに・・・は内容的に無理ですね!今日の午後か明日以降に投稿します!よろしくです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ