ヤキトリ女子会2 それって友情結婚!?
もしできたら今日中に、もう一話投稿できるかもしれません。
がんばります。
「まあせっかくの女子会なんだし、ここはひとつ、彼との夜の方はどうなのよ?」
「翔子酒が入ると結構人が変わるんだな、なんか下ネタばかりじゃねえ」
「うーん、別にふつうだとおもうけど……あっ」
「なになに?お姉さんに話してみなよ」
「わたし結婚意識するようになってから、ピル飲むようになったの、そしたらなんか彼回数増えてきたような気がする」
心愛の身長は一五〇センチもなく、顔なんて小学生みたいだ。天然なのか男の好みなのか、いつもファッションはゴスロリで、狙っているとしか今日子には思えない。
「俺は余りセックスって好きじゃねんだけどその言い方からするに毎日ヤッてるのか?」
「さすがに毎日は……でも、求められたら断らないかな」
「私には無理だな~心愛って観音様みたいに包容力あるんだね」
「あでも、このあいだなんかしながら寝ちゃってたよ。そしたら彼の事後の確認がめんどくさかったかな」
「えっ俺って基本演技は盛り込まない方だけど、みんな結構やってるものなの?」
「「えっ!マジ今日子?」」
翔子と心愛の声がぴったりと一致した。
「っていうかさぁ、演技してどこが悪いのよ、お互いに気分よくできればいいじゃない。この演技って愛じゃないの、それこそ男って勝手でキスしてくれなかったり、そのくせ触る事ばっかり意識いってて無言だったりして、少しは女の演技を見習えってゆうの。男ってほんとAVの観すぎだよ、それにHってテクニックじゃないんだよ、愛をお互いに確かめ合うことが大事なんじゃないの!」
「「おおお~~~!」」
少しヒステリックに心愛はまくし立てる。両手の爪を手に突き刺しながら、肩は怒りで震えていた。
「でもそんな彼で大丈夫なの心愛? 結婚はよく考えた方がイイよ。今のうちに彼の毒は吐いといた方がいいじゃない」
意地悪な笑みを貼り付け翔子は更に聞き出そうとする。
「翔子! 女同士集まって悪口が出るのはしょうがないけど、そうやって二人の関係を悪く誘導するのは俺嫌なんだ」
さっきまでのエロ話の表情とは打って変わり、真剣な眼つきで翔子をたしなめるのは今日子だ。
高校生のころ今日子は今日みたいに友達をたしなめたことがあり、それが原因でその友達と上手くいかなくなってしまったことがあった。
それでも今日子は自分は自分という考えであり、それが今日子の生き方なのだ。
中性的なマスクにサスーンカットの今日子にはそんな正義感が良く似合っていた。
「きょこたんカッコイイ……」
「う~~今日子がいうならしょうがない……」
「ごめん、時々やっちゃうんだ。なんか空気悪くしちゃったな。トイレ行ってくる」
「御免ねきょこたん、心愛きょこたんのことヤンキーだなんていって、誤解してたね」
「別にいいよ、気にしてねえから」
今日子のサバサバした性格は二人にとって救いだ。
トイレから戻った今日子はあらためて麦焼酎をロックで注文し、翔子も同じものを頼み、心愛はプリンパフェを注文した。
「で、どうよ? 俺がトイレ行ってる間、俺の性癖の事話してたんだろ。気にしないから何でも聞いてくれていいだぜ」
「もうそんな言い方して、悪口なんて言ってないよ。心愛も私もあなたの事心配してたんだから」
「きょこたんはどっちかというと女の子が好きなバイセクシャルなんでしょ」
「ちょっと、心愛」
「いいんだよ翔子、俺が話したいんだから。うん、そうだね心愛、それで大体あってると思う」
「じゃ、じゃあなんでバイの女の子とかじゃダメなの? よっぽどいいじゃない」翔子が思い切って聞いてみた。
「うん、良い質問なのかな? それだと今の日本では結婚できないからだよ。一部ではそうでもなくなってるけど、矛盾しているように聞こえるかもしれないけど、俺子供も欲しいんだ。家庭生活にも憧れもあるし」
「そんな、でもいきなり結婚から考えなくたっていいんじゃないの。それこそ焦ることなんてないと思う」
「おいおい、俺だっていきなり結婚前提で付き合ってくれなんて言わないさ、それじゃ重すぎて男だって逃げちゃうし、まあお試しみたいなもんかな?」
「心愛は心配なのはその人、勇人くんだよ。彼、きょこたんと付き合ってもきっと別の彼との交際辞めないじゃない。きっと今日子傷つくよ、ううん間違いなく傷つく」
「そうだよ、それを私達心配してるの」
翔子と心愛は気持ちを共感し合い、今日子の手をふたりで包み込んだ。
「ああお前ら、マジで俺の心配してくれてるんだ。なんかちょっとホロッときたぜ」
酒のせいなのか、少し涙腺が緩んだ今日子は目にうっすらと涙を滲ませる。
「大丈夫だよ、俺強ええから」
「もう、女の子のくせに何強がってるのよ。ばかね、グスッ」
「うえ~~ん、きょこたん」
思わずもらい泣きしてしまい、涙を流す翔子と心愛だ。
「お待たせしました! 麦焼酎ロック二つとプリンパフェになります。こちらの皿お下げしてもいいでしょうか? 失礼します」
先ほど注文した酒とパフェが届き、三人は哀しみを心に残したまま現実に戻る。
「おっ飲んで喰って楽しかったな、改めて乾杯しよう!」
「もう、強がっちゃって。今日子らしいな」
「ぐすん、パフェがしょっぱいよ~、見て二人ともこのプリン、生理の最後にこんなの出て来るじゃない? こういう風にしょっぱいのかな?」
「ワッワラサ! こんな時に何言ってるのよ! 生々しいにも程があるわよ。グスッ想像しちゃうからやめて。グスッ」
「くくくくくっやっぱワラサだわ! ホント確かに似てるよな、味まで分かんねえけど、最後に悲しい可笑しいスパイラルかよ、グスッ」
「ほんとよもう! グスッ、悲しんだか可笑しいんだか、分からなくなってきたわ」
女の友情は何でも喋ることにある。あけすけで赤裸々な三人はこの晩深い満足を堪能したのだった。
数日が立ち、翔子の元カレの勇人との合コンの日がやってきた。
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