二人のその後
この話はケリがつきました。
唯単に同棲しているだけだから分かれてしまえばすむことなのに、別れないでいるのはどういうわけだろうか? 凜はそんなぼんやりとした意識が頭の後ろのほうでもたげていたけど、心愛の話を聞くのに切羽詰っている。
もううんざりするくらいさっきから謝り続けて、早くこの場が終わることだけで頭が一杯だ。「もういい、早く終わってくれ……」
心愛はもう二度とこんなことをしないように一生懸命説得しているつもりなんだけど、凜には伝わっていると信じたいが……。
話せばわかるものだと、どこかで盲信している。二人が二人納得しなければいけないのに、凜が謝ればすむことだと考えてしまう心愛だ。「もうこんなことしない」そういわせれば納得した。というよりその言葉意外に選択肢なんかなくて、何度も何度も「もうしないで!」「わかった、絶対もうしない。心愛ゴメン!」の繰り返しにやっと納得したのか。その表情から怒りが消えて、「もういいわ」と心愛がいって喧嘩が終わった。
もう心愛は立派に権威だ、凜はだまって服従するしかない。ひょっとしたらどんな残酷な命令だって凜は従ってしまうかもしれない、道徳にもとるようなことがあったって。
喧嘩こそ終わったけれど、結局は心愛は僕のこと許しては居ないんだと凜は思い、そしてこれからも結婚してその生活が続くのかと思うと何だか暗澹とした気分になってしまう。もう何か逃げられない罠にでもかかってしまったかのようだ。
心愛は内心男なんてこんなものという諦観を覚えた、ほとんどの女の子が通る道。でも凜が謝るのなら一緒になっていてもいい、許しはしないけど一緒に居てもいい。根本解決になって無くても、悪いことを認めてくれる凜だったらそれでいい。これからも色々あるだろうけど、元気にやっていけるハズ。
いつだって女は強く、男は弱いのだ。
強い男と弱い女の時代なんて一度だってあったのかって? 一度だってあったことなんてない。男と女なんて平等のわけも無く、理想ですら無い。
そのことだけはこの二人もわかっていて、……だから一週間後、二人は結婚した。
だらだら続けてきましたが、心愛の話はケリが付いたので、次は今日子の話移りたいとおもいます。
読んでいただけて、ありがとうございます。




