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心愛と凜

少し変わった事やってみたくなったので、この先のエピソードを心愛と凜それぞれの視点から別々に分けて書いてみたいと思います。

上手くいくか分かりませんが、な、ま、あ、た、た、く、見守って下さい。

そんなわけで、今回の文章は短めです。

「心愛応援する!」


 心愛の同棲している彼氏斉藤凜は心愛とは違って四角四面な性格で、かなり几帳面な男だ。

 本棚の本なんかはジャンルに分けて並べるのではなく、本の背の高さで並べる。本棚の埃は酷く気にするくせに、風呂場の掃除は雑そのもの。

 心愛の話を聞いているんだかどうだかわからないけど、話すときは一方的に順番にまくし立てる。そのくせその話に腰を折られるととたんに不機嫌になって、プイッと向こうを向いてしまう。

 神経質そうなメガネをかけていて、一緒に買うテレビのときなんか大変だった! 心愛からしたらどうでもいいスペックの細部にまでこだわって、ありとあらゆる情報を集めまくる。その情報を整理してとくとくと心愛に説くのだけど……心愛にはどうでもよかった。

 一度バーベキューをやったときなんかおもしろい。心愛が材料を切りながら一生懸命大学であったことや、母親との関係とか、落語のこととかを一杯に話しかける。

 そんなときでも凜は火をおこすのに一生懸命だ、「うん、うん」言っているだけで多分話を聞いてはいない。そのくせバーベキューの段取り、采配には口を出し、アレが違うコレが違うとかの文句ばかりが多かった。心愛からみたら、「りんりんバーベキューって楽しいの?」だ。

 凜からしてみたら、心愛の話は冗長で、取り留めなく、だらだらとした、結論の見えない話だ。話をするからには目的があるはずで、その目的を達成するにはプロセスは重要だけども……結論はなんだ?

「というか、人が火を起こしているんだからその間くらいは話しかけないでよ」が本音だ。


 心愛は翌朝一度アパートに戻り、まだ出勤前の凜に軽い朝食の支度をする。

 真っ赤なトマトを切りながら、心愛は凜にこの間のハードディスクの話を軽い調子で話し出した。

「男のひとがエッチなもの見るのはしかたがないよね?」

 少し不機嫌な顔をして凜は答える。

「……まあね……」

できるだけ近いうちに次投稿したいです。

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