プロローグ
田舎の中にひっそりと佇む中学校。 そこが彼女の居場所だった。村で1番の美少女でありながら、 友達は少なく 頭は悪い。前髪は重たく、特にケアをしてこなかったような髪の毛はせっかくの取り柄である容姿を綺麗に隠していた。
彼女と知り合ったのは小学6年生の秋。
こんな田舎に引っ越してくることが珍しかったのもあるが、時期が時期なだけに複雑な事情があるのだろうというのは子供ながらに薄々感じていた。初めの頃はみんな新しい仲間を迎え入れるために執拗に話しかけていたが彼女の発する不気味なオーラによって段々と話しかけるものはいなくなり、現在の中学3年生の春まできたのだ。
彼女は友達もいないのに、いつも休まず学校に来た。
友達のいないクラスにずっといるということは精神的にきついものがあるから自分だったら学校にこないのに‥と、勝手に思ったりしていた。
しかし彼女は毎日来た。遅刻もせず、いつも自分の席に座り、下を向いて授業を受けていた。当てられても何も答えないため先生達も彼女に問題を当てることもなく、クラスメイトも話しかけることもなく ただただ空気のように彼女は過ごしていた。
そんな彼女が死んだ。