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両親が孤児を引き取って来ました

作者: 平野とまる

 最初に出会った時、君はガリガリに痩せていた。

 それでも可愛らしくて、ちゃんと健康な状態になればどれほど美しくなるか想像出来ないほどで、何故両親が君を選んだかも今なら分かる。

 商売で成り上がった両親が、その息子に同年代の相手と女を知る為の練習道具として与えた物だったって訳だ。お金命のあの人達らしい考え方っていやぁ考え方か? まぁ、彼女を選んだ事だけは感謝してもし足りないけど。


 が、当時の俺はそんな事はまるで知らない訳で、確か無邪気に話し掛けて仲良くなろうとしたはず。


 そう、確か――。



「ねぇ、なんで無視するの。何か言ってよー」


 無視されまくって僕は不機嫌さを顕にする。

 確かにまだ5歳らしいからよく分かってないのかもしれないけど、でも挨拶したら挨拶を返す位知ってるはずなのに。

 まぁ、僕はもう8歳のお兄さんなんだ。寛大な対応しなくちゃね。


 そう思って髪に付いている白い粉を手で払って上げようとしたのだけど、思いっきり噛まれた。

 って――。


「いたぁああああああああああい」


 泣くのは男の恥だから我慢したけど、思わず絶叫しちゃった。


「ううう。なんで噛んだの?」


 噛まれた手を摩りながら聞いても無視。

 うう、心が折れそう。


 ううん、ダメだ。女の子には優しくしなさいってお母様から常々言われているし。器の大きさを見せるのは男の器量だぞってお父様からも言われているからな。

 多分急に親しくしようとしたのが失敗したんだ。それじゃぁ時間をかけよう。




 そう思った僕は、何度も何度も痛い目を見ながら彼女と接していったんだっけか。


 いつだろう、髪を触る事を許してくれたのは。

 僕の近くに不潔な人は置けないと、あの後すぐから清潔にして白い粉も無くなり、サラサラで綺麗で触り心地の良くなった髪にいつの間にか触る事を許してくれていて。

 これ幸いに頭を撫でくりまわした。

 偶に加減を間違えて乱暴すぎる時は、痛いってハッキリ主張してくれて睨んでくるからすぐ謝れるし、ただ勿論そんな失敗最初だけだったが。


 次に許してくれたのは手を繋ぐ事。

 実は髪を触れるまでにおおよそ1年半も掛かったのだけど、ここまで来るのにはそれから更に倍の年月が掛かった。

 その分初めて繋いだ時は物凄く嬉しくて、でもすぐに照れた君に股間を蹴り上げられ激痛にのたうちまわるハメに。

 君の赤く染まった顔が真っ青になってオロオロしてたけど……ごめんけど痛みに耐えるので精一杯だったよ。


 その次に更に倍の時間をかけ許してくれたのは俺にハグされる事。

 やっと兄の愛情に応える気になったのか!? とわざとらしく口に出して喜んだらみぞおちを打ち抜かれた。

 正直息が出来なくて死ぬかと思ってる最中に、バカっと吐き捨てて去って行くのはどうかと思う。

 何が気に食わなかったのか……やはり急すぎた?


 でだ、それも半年かけようやく受け入れてくれたと言うのに、20の誕生日に何故か俺のベッドの上でスケスケの服で待機している彼女。

 風呂から戻ってきてビックリだよ!

 据え膳とか思う以上に、なんの罠かと思ってキョロキョロするのも仕方ないじゃないか。

 ってか、見つめてたなら押し倒してたぞ、間違いなく。


「いい加減機嫌直してくれよ」


「若様は酷いです。ちぃがどれだけ勇気を出したと……」


 プリプリと可愛らしく怒る彼女。

 ああ、ヤバイ、理性の糸が切れそうだ。

 いつだって兄に頼れだの妹みたいに大切に思っているだの言ってけど……昔から女として好きで、何とか結婚出来ないか画策しているのを知ったらどう思うことか。


 まぁ、今後の予定としてある程度好意を持ってくれただろうから、次はプロポーズして異性として意識してもおうと思ってるけど。

 なんだかんだ結婚するのもほぼ準備万端だしな。両親も口説くのもチョロかった。彼女と結婚できなかったら出家しますって言ったら一発だったもんな。


 未だ隣同士で寝ている状態でブツブツ文句を言っている彼女を宥めつつ、ふふん、もうすぐ君にどれだけ惚れているか伝えるから、もう少し待っていてくれな。なんて心の中で吐き出す。


 絶対逃がしてなんか上げないから覚悟しとけよ!

 ご閲覧頂き誠にありがとうございました。

 今回は書いてる途中から眠気に襲われ、非常に納得のいかない出来になってしまいました。

 とりあえず投稿しましたが、近いうちに書き直そうと思います。


 体調管理って大事ですね。

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