/4.5 ふぁみれす座談会その4
「合宿イベントとかもいいよな」
黒縁眼鏡の何気ない一言に、熱々のドリアと格闘していた金髪が食べるのをやめて言った。
「帰宅部じゃねぇか、お前」
「ハッ、帰宅サークルというのを作ればいいんじゃね?そんでサークル活動と称して合コンしまくり」
「お前のサークルの定義について小一時間説教したいが……帰宅サークルって何だ」
「それは、日々の何気ない帰宅道をどのように過ごすのか毎日各自で考えるサークル」
「各自なのか…」
「基本活動が帰宅だからな。各自で考え各自で行動」
「…………それ、集まることなくね?」
金髪の言葉に、固まる黒縁。
「馬鹿な……サークルを作り、そこで出会い、そして一夏のアバンチュール的な合宿でムフフな作戦がこうも脆く崩れ去るとは…」
「砂上の楼閣なんて目じゃない脆さだったな」
やれやれ、と肩をすくめる金髪。
「そもそもそんなに合宿したいなら今からでも何処かのサークルに入ればいいじゃないか」
黒縁眼鏡は能面のような表情になり言った。
「馬鹿だな、お前。俺がリア充共の巣窟に入れるわけないだろ」
その後、小一時間金髪により黒縁眼鏡のサークルに対する偏見について説教されることになる。