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/1.5 ふぁみれす座談会その1
何処の街でも一軒はあるチェーン展開されたファミリーレストラン。
そのファミレスの窓際の席で黒縁眼鏡の男が頬杖をついて、携帯をいじっている。
「夏休みの課題面倒だなぁ」
その言葉に、対面に座っている金髪も頷く。
「あれだろ、飯田橋教授の」
「そうそう。大学生なんだから夏休みぐらい遊ばせろよ」
「わかる、わかる。小中高の頃、あんだけ夏休みの宿題に苦しまされたから」
うんうん、と頷きコーヒーを口に運ぶ金髪。
黒縁眼鏡の男は、相変わらず携帯をいじっている。
ふと何か思いついたのか、コーヒーをテーブルに置いて金髪の男は言った。
「そういえば、お前夏休みの宿題って先にやる派?あとにまとめてやる派だった?」
黒縁眼鏡の男は携帯をいじるのをやめて、視線を上げ真面目な顔で言った。
「やらずに2学期が始まり、怒られる派」
「その選択肢は予想外だわ…」
そんな夏の日のファミレスの他愛もない一幕。