とにかくメンバーを集めてみた
「黒域、レント王子。白域、ファル姫。黄域、ミュンラン姫。赤域、サイア王子」
「そう」
うんうんと、目の前で王子がうなずく。
「他の、紫域と青域と緑域はどうしますか?」
コテンと、首を傾ける。あたしには知り合いがほかの領域にいないので、誰を引っ張ってくればいいのかわからない。
「そうだね、俺が連れてくるよ」
「早いほうがいいです、明日はダメですか?」
たしか、明日は学校が休みなはず。集まるのなら、さっさとやっちゃったほうがいいだろう。
「わかんないけど、連絡してみる」
王子はあっさりとOKしてくれた。良かった。
他人を呼ぶということは、あたしに少しだけ不安の雲を被せる。だって、もともと知らない人は怖いのだ。そして、見透かされそうなのだ。
王族の人は、特に。
目が肥えているとでも言うのだろうか?よくわからないけれど、凛とした雰囲気に自分のペースは打ち砕かれ、押しつぶされそうになる。
「連絡着いたー」
「早っ!」
悶々と考えていると、王子から呑気に声がかけられた。
「明日、うちにくるって」
「はぁい」
明日のために、まずは掃除・洗濯・片付けだ。綺麗にしておかねば。