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『5:「全力ジャンケン」』
男たちが一室で向かい合っていた。
互いに脂汗を滲ませ、一挙一動に注目している。
「最初はグー――」
無用なひっかけは次の手を鈍らせる。遅れれば死だ。
「ジャンケン……」
じゃんけんは心理戦以上に動作だ。腕と指の動作を見抜いて、自分がそれに合わせることこそが勝利の鍵。
敵手の腕が内側にわずかに寄った――パーだ
「ポン!」
私はチョキ、相手は読み通りパーだった。
「よっし!」
一世一代のジャンケンはオレの勝ちだ。
俺たちは竿役。目をあわせた相手をセックスしないと出られない部屋へと送り込む能力を持っている。
そして偶然、同じ標的を狙い互いに目があってしまった。
二人で脱出できないか探った末に、するしかないという結論に至りジャンケンで決着をつけることにした。
「……やさしくしてくれ」
「黙れ」




