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『4:「筋肉と魔法少女」』
汗を拭き終えた男は雑巾を縦半分に折り干した。
鏡の前に行き、自らの体を検分する。
腕を組み大胸筋を収縮させる。
血管の浮き上がりを見て、厳かにうなずいた。
2週間、0.3ミリのズレを見つけたときから修正は間に合ったようだ。
男はいくつかのポーズをとったあと、鏡に一礼。
そして杖を手に取った。
「変身――キラキラの魔法、届けー! 夢と希望のプリンセス、参上しちゃいますっ♪」
現れたには桜色の髪をした少女。身長は半分ほどの縮みにレオタード上の服に体の線が浮き出ている。
そして、彼女は鏡をじっと見つめる。
腰の幅が2ミリほど引き締まっているのを見てうなずいた。
「やはりそうか……」
ポーズを決めながら彼女は仮説が正しかったことを確信する。
人間だったときの体型も魔法少女状態に影響する。ならば、人間状態だったときも鍛えねば……。
やるからには真剣に取り組まなければならぬ、と彼女は再び筋トレに戻るのであった。




