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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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④ 雪子の前乗り

 光秀よりも先に、予め前乗りしていたこの現場で、雪子は僧侶たちに、敢えてフルネームを名乗っていなかった。しかも光秀には、直接ユキコであるとも言っていない。


 それは、敢えてそうしたかったのだ。

 何故ならこの時代、取るに足らない女性のファーストネームなど、歴史の中に埋もれてしまう運命だったからだ。


 つまりユキコとしか名乗らない女性の事は、どこにも記録が残らず、暗躍が可能という訳である。

 こういう時、オンナに生まれてホントに良かったと思う雪子であった。


 前々から、明智光秀の最後の運命に、納得出来なかった彼女は、ある日思い立って、自分の介入で"本能寺の変"後の、彼の人生を演出する事にしたのだ。


 そのために彼女は、前持って延暦寺の残存メンバーに接触し、準備を怠り無くしておいた。


 彼女は、ビートルのフロントトランクと後部座席に、米俵や砂金などの物資を詰めるだけ積んで、せっせと運び込んでいたのだった。

 何しろ彼女は、暇な金持ちなのである。


 ただ一つだけ悔しかった事は、彼女よりも先に、延暦寺跡地に、サン・ジェルマンが訪れていた事だった。


 しかも「今後、コレと同じ乗り物に乗って、ユキコと名乗る女性がやって来る。どうかその時は、彼女からの援助を、快く受け入れて欲しい。」という話をして、シルバーのビートルで帰って行ったらしい。


 彼女が前乗りした時、既に僧侶たちの間では、伴天連の神の使いの者も、なかなか味な真似をする、と、サン・ジェルマンの事を解釈し、そのウワサで持ちきりであったのだった。


 もちろん、彼も抜かり無く、名乗ることはしなかった。「ただ、ただ、善意からです。」と言って、やはり色々と物資を差し入れしたと言う。


 また、先を越されたのね、私。

 雪子は"してやられた感"で、思わず苦笑いしたのだった。


 まあ、いいわ。次の課題よ。どんどん行くわよ!

 彼女はそう、自分を鼓舞するのだった。


 雪子は、ビートルに戻ると早速、次の目的地の座標を、以下のように時空転位操作パネルに打ち込んだ。


 西暦1424年 7月14日 日曜日 12時00分

 北緯48度26分

 東経05度40分


 雪子は、時空転位装置のスイッチを入れた。

 目指すは、フランス国、ドンレミ村だ。

 

 目的はもちろん、ジャンヌ・ダルクの奇跡を後押しして、そして最後には、あの忌まわしい火炙りの刑から、彼女を救い出すためである。雪子は、そのためのプランを、練りに練ってあるのだ。


 しかし、まさか行った先の現場で、あんな事になるとは、夢にも思わない雪子なのであった



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