㉚ 超イヌネコ会議
それから更に数日後の事だった。
広い時空の彼方の、とある場所で、犬族と猫族の、共同定例会議が行なわれていた。
「議長!」
「うむ、猫族ミケーネ王子。発言を許す。」
「報告します。やはり、惑星ガイアのハダカ猿族のメス、真田由理子は、将来有望な人材です。好戦的なニンゲンたちの中で、唯一無二の博愛主義者。その愛は、他種族にも向けられており、彼等と我々との橋渡し的存在になり得るかと思われます。」
「そうか。他には?」
「議長!」
「犬王アヌビス。発言を許す。」
「吾輩も同感で有ります。彼女の何でも許容する心。包容力はホンモノです。ただ自らと、その家族に敵意が向けられた場合にのみ、好戦的になる、と本人は語っておりました。」
「うむ。では以上の発言を踏まえ、惑星ガイアの真田由理子の件を、重要調査記録として、暫く保存する事とする。別件で、何か報告は?」
「議長!」
「猫族ミケーネ王子、発言を許す。」
「実は、惑星ガイアの真田雪村の件で、ご報告が…。」
すると、急に広い会議場全体がザワザワし始めた。
「皆の者、静粛に!猫王子、発言を。」
「はっ。彼は再び、例のチカラを使用しました。」
またザワザワする一堂。
「おい、雪村って、あの鳳凰の生まれ変わりの…。」
「例のチカラとは、惑星ニビルを飛ばしたあの…。」
アチラこちらから、様々な呟きが聞こえて来る。
「静粛に!ミケーネ王子、続きを。」
「はい。彼は、家族を守るための正当防衛とはいえ、爬虫類族アラハバキ王の、戦闘員の全てを、王もろとも、あろう事か、ブラックホール送りにしてしまいました。」
会議場には、三度目のザワメキが起こった。
「そんなのはもう、神の振る舞いではないか…。」
「鳳凰は、つまりフェニックスだからな…。」
その騒然とする会議場で、静かに挙手をする者が現れた。
すると、議長の指示を待たずして、その場に、アッと言う間に静寂が戻ったのだった。
「猫族獅子王レオン、発言を認める。」
「そのニンゲンと鳥族の始祖との、ハイブリッドの存在の件は、以前から、我々も注視しております。幸いな事に、彼の心には、罪の意識が有ります。つまり、決して破壊行為を楽しんでいる訳では有りません。」
「議長。」
「犬族狼王ウルフィ、発言を許す。」
「その件に関しては、我々狼一堂も、同意見であります。ただ、引き続き、彼に対する監視活動は必要かと…。」
「うむ。では以上を踏まえて、惑星ガイアの真田雪村についても、最重要案件として、記録に留めておく事とする。猫王子、犬王、我が議会としては、引き続き両名の観察を頼む。」
「はっ。」「確かに。」
二人は各座席で、同時にソレを承諾した。
「議長!」
「猫族虎王ディガー、発言を許す。」
「惑星ガイアのニンゲン、真田雪子の件はよろしいので?」
「その件に関しては、以前の会議の決議通り、引き続き注視するに留める。彼女の行ないも、ニンゲンの領域を超えてはいるが、我々が対処できぬようなレベルではないゆえ。それでよいな?」
「はっ。了解しました。」
「では、今日の会議はこれにて閉会とする。次回開催日は…。」
さて、この会議が、今後どんな波乱を巻き起こすのか、それとも、特に何も影響無いのか…乞うご期待です。
以上で第20巻は完結です。
次回、第21巻にご期待下さい(>ω<)




