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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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㉗ 他のテーブルにて

 そこはもちろん、レストランであるからして、他にもテーブルはあった。


 まるで二人っきりのような空気感を出してはいるが、何も今日は、雪子と雪村の貸し切りという訳ではないのだ。


 こちらの窓際のテーブルには、由理子、香子、そして猫王子のミケーネ、犬王アヌビスが仲良く談笑していたのだった。


「聞いたぞ。由理子。先日は色々と、大変だったそうじゃないか?」

 そう言ったのはミケーネだった。


「なあ〜に、さっき聞いたばかりみたいな、口ぶりで言っているのよ。どうせアナタたち、二人ともリアルタイムで、情報を掴んでいたんでしょう?何なら現場でコッソリ隠れて見て居たとか?」

 由理子は、ワルイ笑顔で二匹に尋ねる。


「…いや、決してそんな事は…。」

「何よ。図星なのね。あ〜つまんないのぉ。」

「我々にも、色々と都合が有るのだよ。」と犬王。


「へえ〜、どんな?是非聞かせて欲しいモノだわ。」

「我ら犬族と猫族は、古来より、"好戦的な他の種族同士の争いには、一切関わらない"、という条約を結んで居るのだよ。」


「へえ、そりゃあ戦争やケンカが好きな種族で、悪うございましたねえ〜。」

 由理子が不貞腐れて見せる。


「確かに今回の事件の発端は、アラハバキ王国からの、ニンゲン世界への侵略行為だった。だから、正義はキミたちの側に有るのだろう。」


「そうよ。それも一度や二度ではないのよ。隙をみてはやって来て、自分たちの労働力を補うために、人々を拉致して行くのよ。コレが許せる?」


「だからと言って、アレはやり過ぎだった。アラハバキ王国の戦闘に加わった者全員を、ブラックホールに送り込んでしまうなんて…。」


「その前に、私の大切な雪子姉様が、どんな目にあったのか、見ていたのでしょう?アレが許せるの!?」

 由理子の語気が段々強くなる。


「それは…。」

「あんな卑怯な手まで使って…許せないわ!本国に残ったヤツラも、皆殺しにしてやりたい気分よ。」

 由理子は思い出して、涙目になって居た。


「まあ、それはやめておいた方がイイかな。」

 ミケーネが口を挟んだ。

「非戦闘員を巻き込むのは、良くないな。」

「分かっているわよ。言葉のアヤよ。」


「まあ、とにかく、真田雪子に手を出すと、どんな目に遭うのか、他の種族に対しても、イイ見せしめにはなったな。」

 ミケーネが語り続ける。


「少なくとも、我が猫族は、未来永劫、真田雪村の怒りを買わないよう、語り継ぐことになりそうだよ。」

 そう言って、彼は片方の口の端を上げて笑った。


「大体、好戦的って言うけど、ニンゲンにだって色々居るんですからね。」

「ソレはもちろん分かっているとも。しかし我々は、キミたちが築き上げて来た、長い歴史から、判断しているのだよ。」

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