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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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18/30

⑱ 彼女のチカラ

 それにしても、アチラのテーブルでは、随分と話が盛り上がっているようだ。

 たった5年間で日本語をしっかり習得するとは、ジャンヌ・ダルクの勤勉さも、侮れないものがある。


「彼女には、勇気、知力、行動力、そして修行を厭わない精神力。全てが備わっています。まさに、英雄になるべくして生まれた人物、と言ってイイでしょう。」

 と、彼女のチカラに、惚れ込んでいる様子のサン・ジェルマン。


「…付け加えるなら、別の民族に対する包容力もね。アレは、ウチの由理子に迫るモノがあるわね?」

 雪子も、彼女が逸材である事を認めた。

 彼女こそ、まさに、サン・ジェルマンのチームのメンバーに相応しいと思われた。


「あれっ、香子は居ないのね?」

「今日は月曜日ですから、彼女は本業で忙しいのですよ。代わりに、鷹志君が顔を出してくれました。彼もジャンヌに興味津々ですから、喜んで来てくれましたよ。」


 耳を傾けると、こんな会話が聞こえて来た。

「ジャンヌさんて、剣の達人でもあるんですよね?」

 と鷹志。


「それ程でも有りませんよ。ただ、デュエル…つまり一対一の闘いでは、負けた事が有りません。複数の相手から、同時に放たれた矢は、避けきれずに、よく当たりますけど…。」と、自嘲気味のジャンヌ。


「是非、一度お手合わせ願いたいものです。」

 最近、強さを追求しだした鷹志である。

「イイですよ。何なら今すぐにでも…。」

「えっ、ホントですか?」


 そんな訳で、サン・ジェルマンは、早速、地下の闘技場を開ける事になった。


 二人はそれぞれ竹刀を手に、対峙した。

「じゃあ、どこからでも、どうぞ。」

 ジャンヌがそう言うので、鷹志はお言葉に甘える事にした。


 彼はまず、上段から袈裟がけに切りかかる。

 キレイに除けられた。

 では中段から…コレも当たらない。


 最後に下段からの攻撃…と見せかけて、小次郎ばりの上段からのツバメ返し!…コレも全てキレイサッパリ当たらない。


 "当たらなければ、どうと言う事は無い"という、かつて赤い服のヒトが言っていた有名なセリフを、鷹志はふと、思い出した。


「実は私ね…。」ジャンヌが、話し始めた。

「相手の攻撃が、事前に分かるのよ。殺気が籠もったものなら、ソレが例え後ろからでも、眼を閉じていても、なのよ。」


「…ソレって、まあまあ超能力の部類では?」

 ヤレヤレこのヒトもか、と思う鷹志。

「自分でも、不思議なの。あと、大きな戦闘では、事前に、相手の戦略が読めるのよ。」


「もう、ソレ、予知能力よね?だから襲撃計画が、ことごとく当たるし、負け戦も事前に分かったのね?」

 そう呟いたのは雪子だった。

「私のアシスト無しでも、勝てたって訳だ。何だかまたショックだわあ。」


「…ね?ですから、そんなチカラを持った方を、古墳時代の前から、古代の日本に放ったらかしにしたのは、大いに不味かった訳なんです。卑弥呼のチカラとしては充分ですが、下手をすると、無意識に未来を変えてしまいかねない…。」

 そう口を挟んだのは、サン・ジェルマンだった。


「ああ、でも、皆さんのアシストのお陰で、戦いの流れは、よりスムーズに運んだんです。だから感謝してるんですよ。」

「…そう言ってもらえると、助かるわ。」

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