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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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13/30

⑬ 天草四郎

「分かりました。他国のキリスト教徒を守る、お仕事ですね?」

「まあ、簡単に言うと、そう言う事ね。」

「お引き受けします。」


「ありがとう。また、色々とアシストするから安心して…まあ、負け戦は確定してるんだけどね。」

「えっ?」

「大丈夫。ソレに関しても、歴史を改変しない程度に、対策を考えているから…。」


 雪子はそれだけ言うと、センターコンソールのパネルに、次の目的地の座標を、以下のように入力した。


 西暦1638年4月11日 7時00分

 北緯 32度 38分

 東経 130度 15分


目指すは長崎県南島原市の、落城前日の原城だ。

 彼女、は時空転位装置のスイッチを入れた。

 

 到着まで少し時間がかかりそうなので、また雪子は語り始める。

「ねえ、ジャンヌ、ちょっと後ろの席を見て。」

「えっ、…あっ!」


 そこには自分ソックリの顔をした、例の人形が、もう一体、お澄まし顔で鎮座していた。


「今から行く所には、天草四郎という名の17歳の少年が居たのだけれど…どういう訳なのか、アナタにソックリな顔立ちなのよねえ。」

「えっ、そんな事が?」


「まさに運命のイタズラとしか…しかも、彼、前日に病死してるのよ。」

「それは…また…。」


「でも、籠城の最中という事もあり、士気が下がる事を恐れて、対外的には秘密にされた。だからソレを知っている者は、私を含めた、ごく僅かな側近だけなの。」


「今から私は、その彼に、成り代わりに行くのですね?」

「そうよ。理解が早くて助かるわ。そして、そのお人形も、一役買うのよ。」


 二人でそんな話をしている間に、シルバーのビートルは目的地の時空に到着した。


 雪子は、この現場でもまた、オルレアンの時と同様に、前乗り、及び戦闘への介入をしていたので、原城の面々とは、周知の仲であった…まあ、だからこそ、島原、天草の乱は、あれほど善戦したのだが…。


 なので彼女は、光学迷彩も掛けずに、何の警戒心も無く、城内にクルマを降ろした。


 バラバラと数名の者が、そこに駆け寄って来る。

「みんな、お待たせ!ご要望の代役を連れて来たわよ。」

 そう言って、クルマを降りた雪子が、ジャンヌを指し示す。


「おお!」

「これは、また。」

「確かに!」

 彼女を見た者たちは、口々に感嘆の声を上げた。


 今や歴戦の勇士である、少女ジャンヌの凛々しい顔立ちは、江戸時代初期の、一揆の総大将たる17歳の少年として、説得力の有るモノだった。


 そして何より、彼女の顔は"天草四郎に瓜二つ"であったのだ!それは、近習の誰が見ても、明らかな事であった。



挿絵(By みてみん)

 

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