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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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⑩ 奇跡の戦線復帰

「何かしら、この腹の底から湧き上がって来る高揚感は?」

 ジャンヌ・ダルクは呟いた。


「その万能感のようなモノは、さっき食べた物の副作用よ。大丈夫?気持ち悪かったり、目眩がしたりしないかしら?」

 雪子が心配そうに訊く。


「ええ、平気です。もうすっかり元気です。むしろ何の疲れも感じません!」

「そう、それは良かった。じゃあ早速、みんなの元へ戻ってもいいけど、首に包帯を巻いておきなさい。傷口が無い事を怪しまれるから。」


「…はい。」

 彼女は素直に返事をして、直ぐにそうした。

 なんてイイ子なのかしら。雪子はまた思った。そして、これから定められている彼女の運命を考えると、胸が痛んだ。


 元気にテントから出て行くジャンヌに向かって、最後に雪子はこう声をかけた。

「いくら不老不死とは言え、怪我をすれば痛いし、活動を続ければ疲れるのよ。無理は禁物。くれぐれも気をつけてね。」


「ハイ。」

 彼女は短く返事をして、出て行った。


 怪我をおして、前線に復帰して来た、そんなジャンヌの姿に、ますます攻略軍の指揮は上がり、その勢いのまま、翌日には、砦を陥落させてしまった。


 この戦いに関しては、最早、真田姉妹のアシストは必要無かった。彼女たちは、とうとう自力で、イングランド軍を、オルレアンから退けたのである。


 後の戦いの数々は、歴史書に詳しく有るので、ここでの描写は省略する。彼女はたくさんの戦友や上官の命を助け、立案した作戦を次々に成功させた。

 ただ、これまでと同様に、その要所、要所で、真田姉妹のアシストが有った事だけは、記しておこう。


 そしてついに、ジャンヌ・ダルクが見守る中、1429年7月17日の朝に、ランス大聖堂で、シャルル7世は戴冠式を無事に澄ませ、正式にフランス国王となったのである。


 しかし、コレにて、めでたし、めでたし…とはならなかった事は、皆さんがご存じの通りである。


 その後も、前線で戦い続けたジャンヌ・ダルクは、とある戦いで味方を撤退させるために"しんがり"を務め、その時また、敵の矢を受けて、馬から落ちた所を捕まってしまったのだった。


 そして、彼女の身柄はイングランドに引き渡され、イギリス占領統治府があるルーアンにて、異端審問裁判にかけられた。


 それは恐らく、彼女のチカラが強過ぎたため、イングランドとの和平が成った暁には、シャルル7世にとってその存在感が疎ましく思われ、見殺しにされたせいだと言われている。


 彼女と苦楽を共にした戦友や上官たちは、もちろん身代金を支払った上での、その身柄の引き渡しを願ったが、肝心の王様が首を縦に振らない事には、どうにもならなかったのだ。

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― 新着の感想 ―
xから読まさせていただきました。 なるほどこんな書き方があるんだと不思議な感じになりました。 名護屋のテレビ塔の亜空間レストランでの何気ないやり取りから時空を超えて始まる旅路は、永遠の十七歳・真田雪子…
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