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プロローグ
世界が一つに重なっていく感覚は、驚くほど静かだった。
幾度の転生で積み上げた景色も声も温度も、失われたはずのものが胸の奥で息を吹き返す。
俺は強かったわけじゃない。ただ、守れなかった痛みを繰り返したくなかっただけだ。
それでも今、孤独はもうない。
風の気配も、森の囁きも、炉の熱も、影の温度も、すべてが寄り添うように背中を押してくる。
ひとつの世界では届かなかった未来を、今なら掴める気がする。
これは旅の終わりじゃない。
積み重ねた命すべてを抱えて、俺は“全ての世界”を救うために歩き出す。




