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Re:code -記録の檻-  作者: 観測者
プロローグ
4/8

4

「ターゲット確認。戦闘モード、起動――」


 試作型プロメテウスが機械音声を鳴らし、巨大な腕を振り上げた。

 次の瞬間、ビームが大地を焼き、一帯が爆発に包まれる。


「うわっ、マジで撃ってきた!?」

「これ本当に練習用? 嘘でしょ!?」


 智樹たちは散開しながらカードを構えるが、どこか動きがちぐはぐだった。


「ちょ、清司!もっと前でてよ!アタッカーでしょ!?」

「は? なんで俺が!?俺のクラスはカウンター型なんだよ、無闇に出たら意味ねえだろ!」

「じゃあ誰が攻撃すんのよ!こっち回復してばっかで手ぇ出せないんだけど!」

「うわっ!?盾、盾間に合わねぇっ……わあああッ!!」


 仁郎がミサイル直撃を受けて後退。HPが半分以上削られる。


「ちょ、みんな落ち着けって!うまく連携しないと!」

「言われなくても分かってるよ!」


 チーム戦――協力型カードゲーム。

 普段、対戦型の1on1ばかりしていた彼らにとって、それは“慣れないことの連続“だった。

 だが――

 一瞬の静寂。

 敵がチャージに入るのを見て、智樹が口を開いた。


「……全員、聞け!」


 その声に、三人の動きが止まる。


「このままじゃジリ貧で負けるだけだ。このゲームは《パーティ戦》。だったら、誰かが戦い方を決めなきゃいけない。俺が指示出す!」


 迷いなく放たれた言葉に、真知子が目を見開く。


「……分かった。言う通りにする。回復は任せて」

「オレも……盾はまだ残ってる。指示ちょうだい!」

「……やれやれ、仕方ねぇな。早く倒そうぜ」


 智樹はカードを構えた。


「真知子、ナノフィールド展開して調合で支援!仁郎は挑発ユニットで前出て!清司、俺が忍犬でサポート入れるから、次のターンで必殺の一撃だ!一気に決める!」


 ──戦場が、動き出す。

 緑の光がフィールドを包み、ナノ・テクニシャンの調合魔法が効果を発揮。

 仁郎の獣騎士ユニットが大盾を構え、プロメテウスの苛烈な攻撃を引きつける。


「オラァッ!盾持って突っ込むの夢だったんだよォ!」


 そして、忍犬たちが音もなく舞い、プロメテウスの周囲を翻弄する。

 3人の連携によりできた一瞬の隙。


「今だ、清司!!」

「おう!!……やれっ、《血爪将軍(けっそうしょうぐん) ブラッド・レガリア》!!《紅蓮双月(ぐれんそうげつ)零式(ぜろしき)》!!」


 侍型の清司のユニットの灼熱の連撃。

 巨大なボディに深い亀裂が走り、プロメテウスの動きが停止した。


「よし……やったか……!?」


 その瞬間、ビィーーーという電子音が鳴り響く。


 ――警告:システム負荷超過。試作型プロメテウス、活動限界。


 プロメテウスの装甲が蒸気と共に外れ、内部からさらに禍々しい機構が姿を現す。

 青白かった光は深紅に染まり、サーボ音が轟音へと変わる。


「プロメテウスver2.00、起動――」


「な……なんか、さっきより怖くなってる!?」


 見た目も性能も別物になった“それ“が、再び両腕を広げる。


「おいおい、これ本当に練習用かよ……!」

「……こっからが本番ってことか」


 智樹が静かにカードを構え、笑った。


「だったら見せてやろうぜ。カードゲーマーの本気ってやつを、俺たちの手でさ」


 今度は、誰も反論しなかった。

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