ゼノス伯爵の元へ
アルシと共にルシアンとサーディスは町長の家に来ていた。自警団長やエティアス、カリアン、町長とオークが出た脅威をサーディスの父で領主であるゼノス伯爵の元へと二人で報告に行く役を担いたいことをその場の皆に伝えた。
「私は二人が行く事に賛成ですぞ。」
「しかし町長、サーディス様にもしもの事があったら伯爵様に顔受けできませんぞ。やはり我が自警団から何名かを遣わすべきでは?」
「既に死傷者を出しているし自警団員が減っては困りますぞ。オークなどの脅威が出た今対処する自警団員は一人でも多い方がいい。」
意見が分かれ自警団長はアルシに考えを聞く。
「アルシさんはいかが思いますか?」
「私は孫とサーディス様が行く事に反対ではないです。先の件では二人は魔物に不覚を取りましたがこの二人の剣は自警団員に劣ってはいないと思っていますゆえ。」
「俺たちなら大丈夫。汚名を返上させてほしいです。な?ルシアン」
「俺も自分達の為に犠牲になった自警団員の代わりに行きたいです。」
「ふむ、、、、。」
「団長殿、伯爵様への道にはモンスターは居ないし治安もいいですし何よりご子息のサーディス様の話なら直ぐに対応して下さるでしょう。」
「分かりました。お二人にお任せしましょう、しかし伯爵様の元に行くには日にちが掛かりますし安全の為、馬を出せますか?町長」
「それなら俺からエティアスさんとカリアンさんにお願いがあります。」
「どの様な願いでしょうか?サーディス様」
サーディスの願いにエティアスがそう聞いた。
「所有している馬車を借りれますか?」
「ふむ、、、セシアお嬢様の許可があれば構いませんが。」
エティアスの返答を聞いて小声でルシアンがサーディスに話しかける。
「サーディス、、馬車を借りるなんていくら従姉妹でもセシアお嬢様に迷惑じゃ?」
「忘れたのか?剣術大会もあるし早くいけたほうがいいだろ。それに馬は貴重だしお前はあまり乗ったことないだろ?」
二人がそうささやき合っていると町長が馬車を出せないときは町にいる数少ない馬を二人に出すことを約束した。自警団長も承諾すると二人はエティアスとカリアンと共にセシアの住む屋敷に行く事になった。アルシとは町を出る際に一度自宅に戻るように言われてその場で別れた。
ルシアン達四人はセシアの居る屋敷まで行き馬車の事を相談するとセシアは快くそのお願いを了承した。セシアのと一緒にいたシャノアがゼノス伯爵のいる都市に行けることを羨ましくいっていたらセシアがエティアスとカリアンに自分達も同行出来るか聞いた。
エティアスはその願いを了承するとカリアンと共に自分も同行することを話した。そして6人でゼノス伯爵の元へいくことになった一行は出発の準備をすることにした。アルシに一度戻るように言われていたルシアンは自宅へと向かった。
自宅に着くとアルシに地下の倉庫へ連れられて木箱に入っていたチェインメイルと竜の刺繍が入ったサーコート、そして一振りのクレイモアを受け取った。
「私が戦争時に使っていた宝剣と防具だ何かあったときに役立つだろう、持っていきなさい。」
「ありがとう。お祖父さん。」
アルシの装備を受け取ったルシアンは再びセシア達の屋敷に行き準備を終えた6人は町を出てゼノス伯爵の居る都市へと向かって町を後にした。
つづく