光の剣に選ばれし勇者
グリフォンに乗り2日ほどかけてリアとアナはエストア王国の中心地であるエルフ達の聖地アカルダンの宮殿へと入って行きエルフの王であるアクレイスと会っていた。アナはアクレイスに魔王が復活しつつある事を告げる。
「アストリア王国の姫君、アナ殿よ、それは真の話か?」
「はい、ルファール王国の伯爵アシナント伯の報告によればギリア王国は既に無く今は魔物達の巣窟になっているようです。」
報告を聞いたアクレイスは大臣達と何かを話すとアナに言った。
「私達エルフが人同士の争いに加担することは無いが魔王となれば話は別だ。我らも援軍をアストリア王国へ派遣しよう。しかし魔王を打ち倒し封印することが出来るのは聖神カリュの光の剣に選ばれた勇者だけだ。勇者を探さねばならぬ。アナ殿、光の剣をアストリア王国へと運び光の剣の使い手を見つけるのだ。」
「ありがとうございます。アクレイス陛下。その光の剣は何処に?」
「宝物庫だ。我が娘のアルナディアに運ばせよう。」
「それならば早急に我らと共にお越しいただけるでしょうか?」
「早急にか?馬より早い乗り物があるのか?」
「はい、この子の友人であるグリフォンの背に乗れば最速でアストリア王国につきます。」
「なるほど、、、、その娘はビーストテイマーなのだな?」
「はい、陛下この子、、リアのお陰でゼノス伯爵の城塞都市での戦いに勝利することが出来ました。」
「ふむ、そうか。誰か光の剣とアルナディアをここへ!」
アクレイスが従者に声をかけてから数十分すると美しいエルフの女性が厚い布に覆われた剣らしきものを手にして姿を現した。
「紹介しようアナ殿この者が我が娘アルナディアだ。」
「はじめまして、アナ殿下。アルナディアと申します。」
「はじめまして、アルナディア殿下。よろしくお願いいたします。」
「アルナディアよ、お前はアナ殿と共にグリフォンの背に乗ってアストリア王国の王都へとその剣を持って向かい勇者を探すのだ。」
「分かりました、お父様、行って参ります。」
「うむ、アナ殿、アルナディアは剣と魔法にも長けている。決して足手まといにはならないだろう。よろしく頼んだぞアルナディアよ。」
「はい、それでは」
アルナディアとアナはアクレイスに礼をしてアルナディアが光の剣を手にアナに近づきその場を去ろうとすると厚い布に覆われた剣がまばゆい光を放つ。その光景を見たアクレイスが言った。
「まさか、この輝き、、、アナ殿が聖神カリュの光の剣に選ばれたのか、、、、?!」
「、、、、、私が?」
「アルナディアよ布から剣を出してアナ殿に渡すのだ。」
アクレイスの言葉を受けてアルナディアは剣を布から出すとその刃の部分は更に光がました。アルナディアがアナに光の剣を渡すとアナの身体は光に包まれ天も光輝いた。暫くすると天の光は消えて光の剣の刃ふだけが青白く輝いていた。その場にいたエルフの一人が言った。
「勇者の再来だ!!」
「アナ殿!その光の剣を持って魔物達と対峙するのだ!そなたこそが聖神カリュの加護を受け魔王の脅威から人々や生きる者を守る選ばれし勇者。」
アナは自分が勇者として選ばれた事に驚いていた。リアに呼び掛けられてアナはアルナディアと共にグリフォンの背に乗ってアストリア王国の王都へと向かった。
(皆、今度は私も戦いに参加するわよ、、、、、勇者として!)
アナはそう考えながらゼノス伯爵の城塞都市へと向かった。




