報告
ルシアン達はギリア王国の生き残った人々をアストリア王国の王都へと連れて戻ると国王のロアと軍議の為に王都に訪れていたルファール王国のカルザスやアストリア王国のゼノス伯爵そしてムスガルニアの魔導師ファライを始めととした諸侯や重臣に報告していた。ルシアンからの報告にルファール王国やアストリア王国の諸侯達は騒めきアストリア国王ロアが口を開く。
「魔王だと!?それは本当なのか!?」
「はい、ギリア王国は既に無くなり魔王の眷属の魔族が魔物達を使役しているようです。」
「何ということだ!それが真なら30年前に終わった戦争より事態は深刻だ!」
「どうされます?陛下。」
「フラック候!ファライ殿どうか更なる援軍を願いたい!」
「ノエリア様には私から伝えましょう。」
「分かりました。私からもオルダン首長に伝えましょう。しかし伝承によれば魔王を打ち倒し封印することが出来るのはエストア王国にある光の剣だけとされておりますな。」
「うむ直ぐにエストア王国に使いを出して知らせねばならぬな。」
「父上!私が早馬でエストア王国に向かいます!」
「それならば、リアに頼んでグリフォンの背に乗って飛ぶのが良いでしょう。ルファール王国から援軍が来るには時間が掛かりますゆえ我らルファール王国の諸侯達はゼノス伯爵の居城へと赴き敵が侵攻し来た時に備えましょう。ファライ殿、死地になるかもしれぬが貴公らも来ていただけるか?」
「魔王は全ての人々の脅威、私達も覚悟して向かいましょう。」
「すまないな。ファライ殿、感謝する。」
「閣下!金鷲獅子騎士団も同行します。」
「分かった。頼むぞルシアン、いやアシスタント伯よ。」
「はい!リア!アナをエストア王国までたのむよ。」
「うん、ルシアンお兄ちゃん。戻ったらお兄ちゃん達の所へいくよ!」
「ああ!頼んだぞ。リア。」
そしてアストリア王国の王都来ていたルファール王国の援軍としてやって来ていた大半の諸侯達とゼノス伯爵そしてファライ達はゼノス伯爵の城塞都市へと向かった。
「父上!エストア王国は30年前の戦争では物資の補給はしてくれましたが兵は送っては来なかったようですね。援軍に来てくれるでしょうか?」
「エストア王国のエルフ達は人同士の争いに加担するのは避けていたが魔王が復活しそうになる今なら力を貸してくれるだろう。頼んだぞアナ。」
「はい、父上。リアちゃん私達もエストア王国へ向けて出発しましょう。」
「うん!アナお姉ちゃん!」
アナとリアは城の中庭からグリフォンに乗り王都からエストア王国へと向かった。




