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剣聖の孫  作者:
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滅びた王国

 リアの呼び出したグリフォンに乗り未開の地である深い森に覆われた地を空から眺めてルシアン達はギリア王国を探した。魔物や魔獣などが多く生息する不気味な森の中に一つの街がありルシアン達はひとまずその街の様子を調べることにした。


 「俺とサーディスとエティアスさんがいくよ。皆は待っていてくれ。カリアンさん皆をお願します。」


 「分りました3人とも気をつけてください。」


 「3人とも後でね!」


 ルシアンとサーディスとエティアスは着替えると街の様子を外から慎重に伺い街の様子を遠眼鏡で見る。街の中には人ではなくオーク達が闊歩して歩いていた。


 「人が一人も見当たらないぜ?どういうことだ?」


 「ルシアン君、もう少し様子を見てみよう。」


 遠眼鏡で街の様子を見ているとオーク達の一団が街から去って北へと向かって行った。街からはオーク達の大半が居なくなったようで街にはごくわずかなオーク達の姿しかなくなった。


 「ルシアン、街の様子を調べるチャンスだな。いこうぜ。」


 「ああ、エティアスさんもいいですか?」


 「入り口にオークが3匹立っているね、私が注意を引いておくからルシアン君とサーディス様は中を調べてくれ。」


 「分かりました。」


 エティアスが街の入り口の正面の草木に身を隠しているとルシアンとサーディスが入り口の真横に身を隠す。エティアスは近くに石を投げたすると音を聞いたオーク達がエティアスの投げた石の方へと様子を見に行く。


 「いこうぜ!ルシアン!」


 「ああ!」


 ルシアン達は急いで街の中に入って行く。オーク達が去った街はおどろくほど静かで人の気配が全く聞こえなかった。暫く街を慎重に調査すると2匹オーク達が大きな建物の前に立っていた。ルシアンとサーディスはオークに襲い掛かると一匹のオークの首の骨を折り息の根を止めもう一匹のオークを取り押さえて街の事を聞く。


 「街の人間はどこだ!」


 「ドレイドモナラオウトダ!」


 「奴隷?王都?どういうことだ!」


 「コノクニノニンゲンはマオウ様ガメザメルタメのイケニエトシテまたドレイトシテオウトデハタラカセテイル、、、、、。」


 「この建物は?」


 「ヤクニタタナイヤツラはショクヨウダ。」

 

 話を聞いたルシアンとサーディスはオークを気絶させて中へと入って来る。中には牢屋があり老人達が多く捕らわれていた。ルシアンとサーディスは気絶させたオークから鍵をとると牢屋から老人達をだした。その中には40代くらいの男もいて事情を聞いた。


 「ギリア王国の民達は?」


 「、、、ギリア王国自体が最早存在しない、、。」


 「どういうことなんだ??」


 「100年前始まッた70年間の戦争でギリア王国は魔物達を使役しているように思っていたが実際には魔族に踊らされていただけだったのさ。」


 「詳しいわけを話せるか?」


 「ああ、、、、100年前のギリア王国でサルーン王は魔族と悪魔の契約を結んだのさ。魔物達の力を借りるためそして寿命を延ばす為に自分の息子であるロレンス王子を生贄にしてな。王子を生餌した結果サルーン王は魔物達を操る力と長い寿命を手に入れた、、、しかし結果はアストリア王国を征服することも出来なかった、、、、そして魔族が王子を生贄にした理由は魔王の魂を王子の身体に入れて復活させるためだったのさ。」


 「魔王だって?!」


 「ああ、最初から魔族はそれを狙っていたのさ。70年の戦争が終わると魔族達は手の平を返してギリア王国を魔物達と滅ぼしたんだ。この王国の騎士や兵士達は戦ったが10年前、王都は陥落した。生き残ったギリア王国の民は奴隷や生贄としてまた喰われるためだけに生かされているんだ、、、、、。」


 「魔王とサルーン王はどうなったんだ?」


 「サルーン王は10年前殺されたよ。魔王は捧げられた生贄の為にもうすぐ眠ったままの王子だったロレンス様の身体を乗っ取り目覚めるらしい。」


 「どうする?ルシアン。」


 「この人達をグリフォンに乗せられないかリアに聞いてみるつもりだ。」

  

 「そうだな、それがいいな。」


 「貴方達はここで待っていてください。」


 「、、、助けてくれるのか?何故?」


 「今の貴方達を放っては置けません。」


 「、、、すまない、、、ありがとう」


 話が終わるとルシアンとサーディスは出入り口のオーク達を牢屋にいたオーク達が身に着けていた剣で倒しエティアスと合流した。


 「何か分かったかい?ルシアン君。」


 「話は後でします。オーク達が増える前に街の人々を連れて行きます。リアの所に急ぎましょう!」


 「分かった。急ごう!」


 ルシアン達はセシア達と合流するとグリフォンの集団を呼び街に捕らわれていた人々を乗せて王都へと戻った。



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