倒れていく騎士見習い達
オークの一軍を退けたカルザスの騎士団とゼノス伯爵の兵士や騎士達の元にルシアン達はグリフォン達の背にムスガルニアの魔術師達を乗せて戻っていた。オーク達が再び侵攻して来た時の為に城壁に魔術師達を配備してグリフォン達に上空から再びく攻城兵器を破壊するようにリアにカルザスは話した。
最初のオーク達を撃退してから一週間後再びオークの軍勢がゼノス伯爵の城塞都市に迫って来ていた。遠眼鏡でカルザスとゼノス伯爵は侵攻してくるオーク達の軍勢を見た。
「あの数は前回よりかなり増えていますな。」
「ふむ、ルシアン達の報告によればルファール王国の10つの騎士団と1万の兵士達がこちらに向かっているそうだな。ルシアンよ援軍の到着にはどのくらいかかるかわかるか?」
「はい、閣下。数時間後には着くと思われます。」
「数時間か、市民の城や地下への非難は完了しているようだな。あの数では苦戦は免れないだろうが援軍が着くまでの辛抱だ。ザイン!全員を集めろ」
「ハッ!!閣下。」
街の兵士や騎達を集めたカルザスは声を掛けて味方の士気を高める。
「忠勇なる白聖騎士団の騎士と兵士達、そして騎士見習い達よ!!この戦いで敗れればこの街の人々はオーク達に蹂躙されるだろう。敵の数は多く苦戦は免れんだろう!しかし聖神カリュのもと我らはルファール王国の騎士また兵として魔物達と戦わななければならない!この戦い必ず勝利して見せようぞ!」
「オオーっ!ルファール王国に栄光あれ!」
カルザスの演説が終わるとザインが言った。
「全員配置に着け!!」
そして白聖騎士団の騎士達と兵士達は持ち場に着いた。ルシアン達騎士見習い達は城塞都市の西側の防衛を任された。オーク達が侵攻して来るとゾルフィに乗ったリアは他のグリフォン達と共に攻城兵器を空から強襲して投石器を破壊していく。オークがグリフォン達をに弓を向けるとリアはグリフォン達と空高くに離脱していく。
いくつか残ったオーク達の投石器から石が放たれオーク達が城に進軍してくる、城塞都市から反撃で投石器から石が放たれた。火薬玉が無くなっていた城塞都市の投石器は以前のようなオーク達に対して壊滅的な被害は与えられなかった。オーク達は次々と城壁へ梯子を掛けるが次々とムスガルニアの魔術師達の魔法で焼かれていく。
数はオーク達より圧倒的に少なかったが堅牢な城塞都市とグリフォン達の強襲そしてムスガルニアの魔術師達の魔法により大きな損害を出すことは無かった。しかし城塞都市へ向かってオーク達は投石器に火薬玉の線に火をつけて城塞都市の西側の城壁に向かって放った。巨大な爆発が起こりルシアン達見習い騎士の近くの城壁に亀裂が入るオーク達の投石器は同じ場所に次々と火薬玉を放ってくると城壁は大きく崩れオーク達がなだれ込んで来た。
「皆!!剣を抜け!進軍を阻止するぞ!」
ルシアンがリーダーを務める騎士見習い達は、城塞都市の中に侵入して来るオーク達と対峙した。その様子を見てたエティアスとカリアンは直ぐにルシアン達の方に向かった。ルシアン達はオーク達相手に一歩も引かず剣を振るっていくが次々と侵入して来るオーク達の攻撃に倒れて行った。ルシアンは背後から敵にハンマーで殴られると地面に倒れた。ルシアンが体を起こそうとするとオークがルシアン目掛けてハンマーを振り下ろそうとする、死を覚悟したその時エティアスの剣がハンマーを振り下ろそうとしたオークの心臓を貫いていた。エティアスはルシアンの手を取り起き上がらせるとオーク達を切り伏せていく。
「皆さん!伏せてください!!」
カリアンの声を聞いたルシアン達はその場に伏せると大きな爆発がオーク達を襲った。カリアンは連続して破壊魔法のエクスプロージョンの呪文を唱える。崩れた城壁の所へカルザスやザインや待機していた白聖騎士団の騎士達やムスガルニアの魔術師達がやって来る。
「何としてもこの場で抑えるぞ!」
カルザスの一言を聞き白聖騎士団の騎士達は奮戦してオーク達に切りかかる。激戦が続く中、城の後方から角笛の音が鳴り響いた。
「援軍が来たぞー!!」
後方から現れたルファール王国の騎士達が城塞都市とオーク達の進軍に目掛けて馬を走らせて戦闘に来ると形勢は逆転していく。
進軍して来たオーク達はルファール王国の騎士の剣や槍の前に次々と切られ貫かれた。後方からはルファール王国の長弓兵の矢が後方に居たオーク達を貫きそれを見たリアとグリフォン達が空から再びオーク達を強襲した。
「勝ったぞ!!」
逃げだして行くオーク達を見て城塞都市にいた騎士や兵士達は歓声を上げた。
先陣を務めた援軍の鉄十字騎士を従えるイドリア伯にかアルザスが声を掛ける。
「礼をいうぞ。イドリア伯。」
「いえ、閣下。ご無事で何よりです。」
「負傷者を司祭様達に見てもらうように急げ!」
戦死した騎士見習い達の姿を見てルシアンは目を閉じていた。
(昨日まで一緒に話していたのに、、、、、)
戦死した仲間達と共に笑い一緒に食事をしてそして厳しい訓練を受けていたことを思い出していた。戦いが終わり戦死した仲間達の前で佇んでいるルシアンの元にセシアがやって来る。ルシアンの様子を見たセシアはルシアンの手を握った。
「ルシアン君、、、、。」
「、、大丈夫です。セシアお嬢様。城へ戻りましょう、、、、。」
セシアの握った手を軽く握り返してルシアンはセシアと城へ戻って行った。




