城塞都市での戦い
魔物達の侵攻がゼノス伯爵の街へと迫っていた。カルザスやゼノス伯爵達はリアにグリフォン達に魔物達が城塞都市を落とす為に使うであろう投石器を破壊するように言った。ゼノス伯爵の城塞都市は堅牢で30年前終わった70年の戦争でも何度か侵攻を受けたが落ちたことは無かった。カルザスはゼノス伯爵に戦況がどうなるか見解を求める。
「今回の戦いどうなると思われるか?ゼノス伯。」
「侵攻して来るオーク達の数はおよそ1万程と聞いております。対する我々は戦える者は閣下の騎士団と合わせてもおよそ2000名、ですが敵の攻城兵器さえ無力化出来ればこの街と城は簡単には落ちないと思っております。」
「そうだな、リアよ、今回の戦いの勝利はそなたの友人達にかかっている。投石器を破壊した後この城をグリフォン達と共に離れなさい。」
「カルザスおじいちゃんやお兄ちゃん達は??」
「私のことは心配しなくていい。ルシアン達も一緒に行かす。頼んだぞ。」
「うん!ルシアンお兄ちゃん!サーディスお兄ちゃんは?」
「、、、サーディスは、、、」
「伯爵様!候爵様!オークの一団が侵攻してきます!!」
「リアよ!さっき話した通りに頼むぞ、セシアにルシアンよ、貴公らはグリフォン達が投石器を破壊したらリアととグリフォン達と共にこの城を離れて王都に向かいムスガルニアの魔術師達の所に赴きグリフォン達に彼らを乗せて戻って来るのだ。いいな!」
「しかし閣下!!」
「ルシアンよ、これは命令だ。この城なら一度の侵攻なら持つだろう。行軍の遅いオーク達が再び来るまえに魔術師達を連れてきて彼らの協力を受ければ完全に防衛出来るだろう。エティアス卿にカリアン殿、貴公らは残って貰えるか?」
「、、、、分かりました、ルシアン君、セシアお嬢様を頼むよ。カリアンお前も残れるか?」
「強力な魔法を使うのは久しぶりですが使わせていただきますよ。」
「貴公らの協力ありがたく思うぞ。さあリアよ見晴らしの良いところへ向かおう。」
「うん、分かった。おじいちゃん。」
カルザスとリアは城の塔へと向かうとオーク達の投石器を破壊する様にゾルフィとその仲間のグリフォン達に頼のんだ。グリフォン達は投石器に次々と壊しにかかった。突然のグリフォン達の大空からの強襲にオーク達は反撃する間もなく投石器を破壊しつくされる。それを見たカルザスはグリフォン達を大空へと飛び立たせる様にリアに言って城塞都市に設置してある投石器に石や火薬で出来た玉をオーク達に向けて発射させ城壁にいる弓兵達にその玉を火矢で射る様に命令した。
投石器から発射された石がオーク達を吹き飛ばしさらに火薬の弾が敵の付近に着弾すると城壁の弓兵は火矢を火薬の弾目掛けて射る
火矢が火薬の玉に当たると巨大な爆発が起きて次々にオーク達を吹き飛ばして行く。
「さあ!リアよ、ルシアン達の所に行きグリフォン達と王都に向かうのだ!」
「うん!おじいちゃん生きていて!」
「勿論だ!さあ、行け!」
リアはルシアン達と合流すると中庭からグリフォン達に乗って城から王都へ向かって飛んで行った。次々と城塞都市から放たれる石や火薬の玉でオーク達を吹き飛ばしていくがオーク達は前に進み門の付近や城壁付近まで破城槌や梯子を持って進軍してくる。
門の上に待機していたカリアンは破城槌を引いて来るオーク達に炎の壁を魔法で作り出してオーク達を焼き払った。城壁に次々と梯子が掛けられてオーク達が侵入しようと梯子を登って来る。城壁の兵士達は梯子を壊したり石をオーク達の上に石を落とすがオーク達が次々と梯子を掛けて城壁に侵入して来る。城壁に侵入して来るオーク達をエティアスは切り伏せていき味方を鼓舞させた。
日が暮れるまで攻防は続いたが大打撃をうけたオーク達は後方へと下がり、ゼノス伯の城塞都市はオーク達の一団の攻撃を凌いだ。
街に残っていたシャノアは負傷した兵士や騎士達を回復魔法で癒した、そこへ右肩を負傷したエティアスがやってくる。
「エティアスさん!今傷を癒すよ!」
「すまない、シャノア殿。」
「ううん鎧を脱いで!」
エティアスは身に着けてていた鎧を脱ぐとシャノアの魔法で癒された。
「シャノア殿に癒されようとは、、、。」
「いつもはボクやセシアが助けられていたから。」
そこに軽傷のカリアンもやって来る。
「カリアンさん!」
「私は大丈夫ですよ。エティアスは大丈夫ですか?」
「ああ、シャノア殿のお陰でな。セシアお嬢様達が戻るまで死ぬわけにはいかない。改めて礼をいおう、シャノア殿」
「ううん、でも何とか敵を退けたね。」
「そうですね。あとはセシアお嬢様達がムスガルニアの魔術師達を連れてくればこの城塞都市が落ちることはないでしょう。」
「ああ、セシアお嬢様やルシアン君やリアちゃんが来るまで何とか持ちこたえんとな!ッ!!」
「エティアスさん深い傷だったから今日は無理せず休んで!」
「ありがとう、シャノア殿。」
その日オーク達の侵攻を防いだ城塞都市の夜は静かに更けて行った。




