ルシアン達の元へ
ルシアン達が魔物達の侵攻するゼノス伯爵領に向かった事を手紙で知ったセシアは皆を心配して自身もその場に赴くことを願っていたがエティアスやカリアンに止められると分かっていた為悩んでいた。そんなセシアの元にリアがやって来て口にした。
「戦争なの?お兄ちゃん達、心配だね、、、、、。」
「ええ、、、、。」
心ここにあらずなセシアにリアが言った。
「そうだ!セシアお姉ちゃん!ゾルフィに乗ってお兄ちゃん達の様子をみに行く?」
「!!そうですね!リアちゃんお願いします!」
「うん、じゃあ一緒に山に向かおう!」
「ええ!ルア様とエティアス達に置手紙を書いておいてから行きましょう。」
そう言ってセシアは置手紙を書くと夜遅くまで待って誰にもバレない様にリアと城を去ろうとした、しかし城の門まで行くとエティアスが立っていた。
「こんな時間にどちらへ行かれるのですか?セシアお嬢様。」
「エティアスおじさん、私達、お兄ちゃん達のことが気になるから。」
「ルシアン君達も心配だけどおじさんは君達も心配なんだよ。さあ、セシアお嬢様も城の自室にお戻りください。」
「嫌です!どうしても行きます!」
「セシアお嬢様!」
「こんな夜中に大きい声を出さないでください。エティアス。」
エティアスの後ろからカリアンとルアもやって来る。
「セシアちゃんリアちゃん今回はエティアスさんの意見に私も賛成よ。貴方達二人は残って頂戴?」
「ルア様、、、、、。」
「おばあちゃん!大丈夫だよ!いざという時はゾルフィの背に乗って空へ逃げるから!」
「リアちゃん駄目よ、特に貴方はまだ子供んだからおばあちゃんのいうことを聞いて。」
「、、う、うん、でも、、、。」
「今日はもう遅いので一先ずは二人とも部屋にお戻りください。」
「分かりました、でも私は必ず皆の元へ行きます!」
「セシアちゃん、、、、。」
普段心優しく周りの言うことをよく聞くセシアが頑なにルシアン達の元に行くという姿を見てルアは驚いていた。エティアスに押し戻されて部屋に戻った。次の日セシアは朝早くからリアの元へ向かってゾルフィを城の中庭まで呼ぶように頼んだ。
「お姉ちゃん、悪いの沢山いるんでしょ?ゾルフィの友達もいた方がいいよね?」
「ええ、でもそんなに大勢呼べるのですか??」
「うん、ゾルフィの他に大勢呼べるとおもう。」
「リアちゃん、アストリア王国とルシアン君達の為にお願いします!」
「うん、分かった、任せて!お姉ちゃん!」
(ゾルフィ、、、、)
リアがゾルフィに仲間のグリフォンと一緒に来るくるように念じた。
「お姉ちゃん、今から1時間ほどで来ると思う。」
「分かりました。」
それから一時間後グリフォン達が城にやって来て城は大慌てになった。
「ルア様!エティアス殿!グリフォンの群れが城の上空に飛んでいてそのうちの2匹が中庭に!!」
「グリフォン?まさかリアちゃんとセシアちゃんが!?」
「カリアン!急いで中庭に向かうぞ!」
「私も行くわよ!」
エティアスとカリアンとルアが中庭に着くとセシアとリアがグリフォンの背に乗るところだった。
「セシアお嬢様!」
「ごめんなさい、ルア様、エティアス、カリアン私は皆の元に行きます!」
「ええい!!それならば、せめて我々も同行させて下さい!」
「誰かエティアスおじさんとカリアンさんを背に乗せてあげて!」
そうリアがグリフォン達に言うと大空を舞っていたグリフォンが二匹中庭に降り立った。エティアスとカリアンはそれぞれグリフォンの背に乗るとグリフォンは空へと飛び立つ。
「ごめんなさい、ルア様、ルシアン君と必ず戻ります!」
「おばあちゃん!また戻ってくるね!」
「二人とも必ず戻って来るのよ!」
セシア達を乗せたグリフォン達はアストリア王国の王都へと向かった。空を飛ぶセシア達を乗せたグリフォン達をルアはいつまでも見送っていた。
つづく




