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剣聖の孫  作者:
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ゼノス伯爵の城塞都市へ

 ルシアン達見習い騎士や白聖騎士団や司祭の一団はアストリア王国の王都に来ていた。王都に着いたルファール王国の援軍はカルザスの抱える白聖騎士団だけではなく、イドリア伯の配下の鉄十字騎士団、アルフォンヌ伯の白光騎士団、レイベリア子爵の聖鷹騎士団、そしてグリアス侯爵の光獅子騎士団の5つの騎士団が派遣されていた。各騎士団の長や副官、後方支援をする司祭をまとめる司教などはアストリア王国の国王ロアとその国の諸侯達と会議を開いていた。

 

 30年前に終わった戦争で兵力が落ちているアストリア王国の諸侯達の多くはゼノス伯爵の居城に数少なく兵や騎士達を向かわせるのではなく侵攻を受けていない土地をいかに守るとかという主張が多く。ゼノス伯爵領内への援軍を進んで買う者は居なかった。ロアは内心ではゼノス伯爵が無事かどうかが非常に気になっていたが諸侯達に死地へと向かわせる事にどう決断すべきか悩んでいた。


 ロアにカルザスが自身と白聖騎士団がゼノス伯爵への援軍に向かう事を提案した。そんなカルザスに一人のアストリア王国の諸侯が言う。


 「フラック候、敵は三十年前に終わりを告げた戦争以上の魔物達の進軍ですぞ、いかに白聖騎士団とはいえ一つの騎士団だけでは敵わないでしょう。ルファール王国のさらなる増援とエストア王国とムスガルニアの援軍が来るまで留まるべきだと、、、。」


 「魔物達の軍には慈悲の欠片もなく侵攻を受けた地に残るのは破壊だけです。それに魔物達が侵攻を止めることは無いでしょう。私達ルファール王国の騎士にとって魔物達との戦いは聖戦で決して背を向けることの出来ない戦いです。それに聖神カリュの敬虔な民であるアストリア王国の民は私達の同志、生き残っている者がいるならば見捨てては置けません。」


 「フラック候爵殿、私達神官も志願する者から何十名かを後方から付いていきましょう。」


 「感謝いたします。司教様。」


 「フラック候、それならば我が鉄十字騎士団も共に参りましょうぞ。」


 「いや、イドリア伯。貴公達は我が国の増援とエストア王国の軍とムスガルニアの魔術師殿達が援軍に来るまで王都とこの国を守って欲しい。もしもの時は後を頼みますぞ。」


 王都に待機していたルシアン達の元に教官がやって来ると白聖騎士団は前線に出ることをルシアン達騎士見習い達に言った。


 「私達は明日ゼノス伯爵領内に向けて出発する。お前達見習いはこの王都に待機して鉄十字騎士団のイドリア伯爵様の指示に従うように!、、、お前達と顔を合わせられるのは今日が最後かもしれないが全員とも良い騎士になれよ。」


 「待って下さい!!教官!俺も行きます!俺の家族がいるんです!」


 「サーディス、、、」


 「俺もこのサーディスと共について行かせて下さい!」


 「サーディス、ルシアン。恐らくは生きては帰れないだろう。それでも来るのか?」


 「構いません!」


 「教官!それなら俺達も行きます!訓練の成果を魔物達に見せて見せてみせます!」


 「アナ殿下、代わりに行ってきます、殿下はここでお待ちを!」


 「セリグ、、、、それなら私も!。」


 サーディスとルシアンの一言から騎士見習い達の全員がカルザスとや白聖騎士団についてくことを志願していた。その時カルザスとロアがアナの前にやって来るとアナに直ぐに王宮へ来るようロアが言った。


 「アナよ、流石に死地に行かせることに賛成はできぬ。お前はこの王都で待つのだ。」

 

 「父上!」


 「これだけは駄目だ!来なさい!」


 「お前達!アナ殿下を城まで送る様に!」


 カルザスの命令を聞いた二人の兵士がアナをロアと共に王宮へと連れて行く。残ったルシアンやサーディスや他の騎士見習い達にカルザスが声を掛けた。


 「お前達の勇気に感謝するぞ!」


 カルザスがそう言ってその場を後にするとサーディスがルシアン達に言った。


 「皆、悪いな、ありがとう。」


 「気にするなよ!俺たちは同じ聖騎士見習いだからな。」


 「魔物達から人を守らないとな。」


 「そうだぜ!」


 その日ルシアンはルアとセシア達に戦地へと赴くことを手紙に書いてルファール王国へと届ける様に配達人に手紙を託した。従軍する司祭達の中にはシャノアの姿もあった。


  つづく

 


 

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