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剣聖の孫  作者:
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剣術試合

 いつものように厳しい訓練を受けて週末を迎えたルシアンとサーディスはルア達に会う為、朝食を摂るとルファール王国の民が着る白い服に着替えていた。そんな二人の元に教官がやって来て告げる。


 「二人とも突然だが今日は午後からカルザス様の御前で剣術の試合を行う!時間がきたら練習用の甲冑に着替えて訓練所に来るように!」


 ルシアンとサーディスは敬礼して了解した。


 「午後からか、、、アナと合流してルア様達が来たら伝えようぜ。」


 「ああ。」


 アナの部屋に行き合流するとルシアン達はいつも待ち合わせ場所になってる街の広場へと向かった。数十分すると遠くからルアやセシア、リアそしてエティアスとカリアンとシャノアが見えてくる。アナが遠くに見えるエティアスとカリアンの事を聞くとサーディスがセシアの従者で家族同然の存在であることを話した。ルシアン達を見たシャノアが手を振って近づいて来る。


 「久しぶりだね!アナも来たの?皆、元気だった?」


 「厳しい訓練だけど元気にやっているよ、シャノアも忙しそうだね。」


 「うん、早ければボク、三か月以内には正式な司祭になれそう。二人は?」


 「俺たちが騎士になれるのは一年は先だな。」


 「そっか。アナも訓練をうけてるの??」


 「ええ。父上とフラック候の許しを受けたわ。そちらの二人はセシアの従者らしいわね?」


後からやって来たエティアスとカリアンを見てアナはそう聞いた。


 「エティアスさんとカリアンさんだよ。」


 「私はアナよ。二人ともよろしく。」


 「これは王女様、私はカリアンと申します。シャノアちゃんの言う通りセシアお嬢様の従者をしております。こちらはエティアス、同じくセシアお嬢様の従者です。」


 「よろしくお願いいたします。アナ殿下。」


 カリアンとエティアスの挨拶が終わるとルアが口を開く。


 「皆、今日はどのお店でお食事しましょうか。」


 「大叔母様、俺とサーディスとアナは午後からカルザス様の前で練習試合をすることに成りました。だからいつもみたいにゆっくりはできません。」


 「そう。それならカルザスに話して私達も見させてもらうわ。貴方達の勇姿を楽しみにしてるわよ。それじゃ早速カルザスの元に行きましょう。」


 ルシアンとサーディスとアナはカルザスの居城に入るとルア達と別れるて部屋に行き甲冑を身に着けて他の見習い騎士達より一足先に訓練場に赴いた。

 

 その頃セシア達はカルザス侯爵に会っていた。


 「今日はルシアン達や騎士見習いの皆さんの練習試合があるそうね。私達も是非みていきたいわ、カルザス。」


 「そうか、それなら椅子を人数分用意しよう。」


 そう言った後、カルザスはバスタードソードを腰の鞘にさしているエティアスを見て興味を示したのかルア達にエティアスの素性を聞いた。ルアはエティアスはハートランド王国の近衛騎士であり現在は食客でありながら剣の腕が非常に高いためアシナント領内の衛兵達の剣の訓練をして貰っているとカルザスに伝えた。

 

 「彼はかなりの剣の使い手のようだな。」


 「エティアスさんはアストリア王国ではとても有名な人なんです!」


 「そうか、未来の司祭殿。エティアス卿、私は貴公の剣に興味がある。良ければ騎士見習いの練習試合が終わった後行われる正式な騎士達の試合に参加しないいか?」


 「分かりました侯爵閣下、聖騎士殿達と手合わせできるのは私としても非常に名誉です。」


 「それではよろしく頼む。誰か!このハートランド王国の近衛騎士殿を訓練所に案内しろ。」


 エティアスが訓練所に案内されるとルシアン達がまだ誰もいない訓練所で剣の稽古をしていた。ルシアンはエティアスに気づいて声を掛けた。


 「エティアスさん、どうしてここに?」


 「侯爵閣下との話で聖騎士の剣の腕を体験しにね。ルシアン君、少し見ない間に逞しい体つきになったね。」


 「ええ、私からみてもルシアンも驚くほどはやく剣の腕を上げてるわ。」


 「ありがとうございます。エティアスさん、アナ。」


 「私も君とサーディス様とアナ殿下の試合楽しみにしているよ。」


 エティアスが甲冑をみにつけると見習いの騎士達と騎士達が訓練所に次々とやって来る。


 「エティアス殿はこちらへ」


 騎士に案内されエティアスは並べれる椅子の方へと向かった。


 ルシアン達や騎士見習い、そして騎士達が整列すると、カルザスやセシアやルア達がやって来る。ルシアン達や騎士見習い、騎士はカルザスの前で膝間づいた。カルザスはルシアン達全員に声を掛けた。


 「忠勇なる諸君!今日は日頃の訓練の成果を見せてもらう!皆このルファール王国の騎士としてまたそれを目指す者としての力量楽しみにしているぞ。」


 カルザスの話が終わるとまず騎士見習い達の練習試合が行われる。アナは危なげなく相手に勝つとサーディスも優勢に試合を進めて勝った、そして見習い騎士達の最後の試合ではルシアンと騎士見習い達の中で1,2位を争う腕を持つイアンズとうい騎士見習いと対戦することになった。イアンズの得意とする武器はグレートソードでリーチと力においてはルシアンより明らかに上だった。

 

 試合が開始するとルシアンは一気に間合いを詰めようとするがイアンズは練習用のグレートソードを振るいルシアンを近寄らせなかった。遠間から振られるグレートソードをルシアンは練習用のクレイモアで防ぐがその力に手がしびれ出す。ルシアンの様子を見たイアンズは剣を振り下ろす、ルシアンはそれをかわすとイアンズはそのままグレートソードを切り上げた。ルシアンはそれも何とか交わすと切り上げられたグレートソードを思い切りクレイモアで弾いた。その衝撃でイアンズのグレートソードは宙をまった。ルシアンが勝利を確信した瞬間だった。イアンズはルシアンにタックルをして倒れたルシアンに乗りかかり練習用の短剣を抜きルシアンの首に突きつけた。


 「それまで!勝者イアンズ!」


 倒れたルシアンにイアンズが手を差し伸べて言った。


 「恐ろしく腕を上げたな、ルシアン。」


 「ああ、でも負けは負けだ。」


 ルシアンはイアンズの手を取り起き上がると礼を言った。試合を見ていた者達から拍手が起こった。騎士見習い達の試合が終わると次は正規の騎士達の試合が行われた。ハルウニア最強の騎士団と言われる白聖騎士団の騎士達の試合はどれもレベルが非常に高い名勝負だった。騎士達の最後の試合にはエティアスが騎士隊長の一人と対戦した。その試合を見る騎士見習いや騎士達は誰もが騎士隊長の優勢を疑わなかったがいざ始まると驚愕した。予想を覆してエティアスが騎士隊長を圧倒していた。そして開始から数十分でエティアスが一本を取った。勝利したエティアスにカルザスが声を掛けた。


 「エティアス卿、ハートランド王国の近衛騎士の実力確かに見せてもらった。貴公の様な騎士達を抱えるとは、あのディオトール帝国と先頭に立って戦ってきたのは伊達ではなかったな、よい試合だった。褒美に私より魔法の剣を渡そう。」


 「ありがとうございます。フラック侯爵閣下。」


 「今日の試合はとても良いものだった。皆もこのエティアス殿に負けないような騎士を目指し明日からまた精進するように。私からは以上だ。」


 カルザスが話を終えてルアやセシア達と訓練所を後にすると教官がルシアンが騎士見習い達に言った。


 「今日は見事な試合だった!戻ってゆっくり休むように!解散!」


 自室に戻ろうとするルシアン達三人に城の従者からカルザスが食事する食卓へと案内されて向かう。大きな食卓にはセシアやルア、シャノア、リア、エティアス、カリアンそしてカルザスが座っていた。三人にルアが声を掛ける。


 「お疲れ様、皆、今日の試合が見れて本当に良かったわ。」


 するとカルザスがルシアン達に席に座るように言った。


 「お前達、今日は遠慮はいらない、席に座れ。アナ殿下もどうぞお座りください。」


 「はい、閣下。」


 「ありがとうございます。フラック候。」


 食卓には豪勢な食事が並べられていて皆それぞれ気に入った物を口に運ぶ。カルザスは葡萄酒をのみエティアスにも勧めて聞いた。


 「ハートランド王国で最も強い騎士は?」


 「、、、、、恐らくは近衛騎士団副団長のウィルド様でしょう。」


 「貴公より腕がたつのか?」


 「私などウィルド様には到底及びません。」


 「そうか機会があれば手合わせしたいものだ。」


 カルザスと話をするエティアス達を見てルシアンとサーディスは小声で話し合った。


 「エティアスさんハートランド王国の近衛騎士だったのか?道理で強いわけだぜ。」


 「ハートランド王国って西の大陸の国だったな、どうしてこの大陸に来たんだろう?」


 「俺がセシアに聞いてみるぜ。」


 ルシアンとサーディスの隣に座るセシアにサーディスがエティアスの事を聞くとセシアは実は自分がハートランド国王の血を引く王女でありエティアスはその護衛として選ばれた騎士であることをサーディスに伝えた。


 「お前がハートランド国王の血を引いてるなんてしらなかったぜ。」


 「ボクも初めて知ったよ。」


 「ごめんなさい。私もつい先日その事を聞いたばかりなんです。」


 「、、、、ハートランド王国にもどるのですか?」


 「いいえ、ルシアン君。私はここにいることを願います。エティアスには悪いけどそれが私の願いです。」


 「そうか、、、でもルファール王国の伯爵ならセシアが正式な王女になっても釣り合うな、な?ルシアン?」


 ルシアンはその言葉を聞いて口にしていた飲み物でむせる。


 「大丈夫ですか?ルシアン君。」


 「はい、すみません。セシアお嬢様。」


 「サーディス!二人とも純情なんだからからかわない!ボク、カリアンさんにサーディスが惚れてる事をはなすよ!」


 「ッ!?。シャノアまた誤解を生むようなこというなよ!!」


 「なるほど、サーディスはあの綺麗なエルフのカリアン殿にほれているのね。」


 「アナまでからかうなよ!」


 「おばあちゃん、このカニっていうのどうたべるのか分からないよ。」


 「わかったわ、リアちゃん今から身をとってあげるわね。」


 ルアがリアにカニの身を食べさすとリアは夢中で食べだす。


 そんな様子を見ていてカリアンは心の中で思った。


 (賑やかですね、、。またこの子達や新しい人達と一緒になれて良かった。)


 その日は夜遅くまで賑やかな食事会が続いた。


 つづく

 


 

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