再会
セシアとリアがルアの元で暮らして1か月経っていた。リアはルアと領内の山に向かいゾルフィと会うことが日常でセシアは魔術書を読むのが日課となっていた。ルアとリアが戻って来ると三人は食事をとった。不意にルアがセシアに聞いた。
「セシアちゃん、ルシアンとはどんな関係なのかしら?」
「同じ町で暮らしていた幼馴染です。」
「そう、、私は貴方とルシアンが結婚してルシアンに私の後を継いで欲しいと思ってるわ。」
「ええっ!?、、、、けっ、結婚ですか?」
赤面して慌てるセシアにルアが優しく笑い言う。
「ふふふ、ルシアンも満更でもないと思うわよ?」
「、、、、そうでしょうか?」
「こんなに可愛くて心優しい子だと他の男性も黙ってないでしょうね。そうなると私も心配だわ。ルシアンには貴方を押してもらわいといけないわね。」
「ルア様、、、、ありがとうございます。」
「いえいえ、私自身の為でもあるのよ。」
二人の話を聞いていたリアが口を出した。
「ルシアンお兄ちゃんとセシアお姉ちゃんが結婚したら私、娘になりたい!いい?お姉ちゃん!」
「、、ええ。リアちゃん。」
そう言ってリアにセシアは微笑んだ。
「あらあら、ふふふ、リアちゃんは好きな子はいるのかしら?」
そう言われたリアは以前出会ったノアの事を思い出していた。
「うん、アストリア王国にいるよ!会いに行きたい。」
「どんな男の子かしら?」
「悪い司祭に捕まった時に一緒になった男の子!勇気があって優しいんだよ。」
「まあ悪い司祭に捕まったの??」
セシアがアストリア王国で起きたことを話すとルアはそれを聞いていつかノアに一緒に会いに行く事を約束してくれた。食事を終えた三人の元へ城の従者の一人がやって来る。
「ルア様、セシア様の従者と名乗る者達が門の外に来ております。」
「セシアちゃん、心当たりは??」
「あります。エティアスとカリアンと言う名前でしょうか?」
「セシア様の言う通りの名でございます。いかがいたしましょう?」
「広間にお通しして、セシアちゃん、私達も向かいましょう。」
「はい、ありがとうございます。ルア様。」
セシアとルアが広間に着くとエティアスとカリアンが膝を着く。
「セシアちゃんから話は聞いています、従者の方々のようね?」
「はい、アシナント女伯様、私はエティアスと申します。こちらはカリアンです。」
「カリアンです。お見知りおきを、アシナント女伯様。」
「セシアお嬢様どうかアシナント女伯様にご迷惑をかけずアストリア王国にお戻りください。」
「エティアスさん、セシアちゃんは私の願いでここにいるのよ。ここで暮らすわけにはいかないのかしら?」
「失礼いたしました、アシナント女伯様。しかし私はセシアお嬢様に仕える者として常にお側に居なければなりません。」
「セシアちゃんと貴方はどんな関係なのかしら?」
「、、、、、、アシナント女伯様、そしてセシアお嬢様、今から本当の事をお話しします、セシアお嬢様はハートランド王国の国王であらせられるザナン三世陛下の血を引く王女なのです。そして私はザナン三世陛下からセシア様の御身を守る為に派遣されたハートランド王国の近衛騎士です。」
「、、、私が王女?」
「はい、ザナン三世陛下はセシア様の母上であらせられるセシリア様を深く愛しておられましたが公式な妻ではなかったゆえにその事実は伏せられておりました。そしてザナン三世陛下はセシア様が成人した時ハートランド王国へとお戻りにさせる様に私に命じています。」
「セシアちゃんは王女様だったのね、しかしエティアスさんセシアちゃんはまだ16歳、せめて成人するまでこの城で暮らすことはできないかしら?セシアちゃん貴方はどう思う?」
「お父様の事はお会いしたことがないから私にはわかりません、、、エティアス、カリアン、私はこの地で生きていくつもりです。」
「セシアお嬢様!!」
「エティアスさん、貴方の騎士としての忠誠とセシアちゃんを想う気持ちは伝わったわ。もしあなた達二人が望むのであればこの城の食客として迎えたいとおもうわ。セシアちゃんが成人した時改めてどうするか聞くというのはどうかしら?」
「、、、、分かりました。その御好意ありがたくお受けいたします。カリアン、お前もそれでいいか?」
「はい、アシナント女伯様、よろしくお願いいたします。」
「ふふふ、おもてなし出来る方が増えてうれしいわ。週末にはカルザスの所へ向かってルシアンとサーディス君に会いに行きましょう。誰かこの二人の方々を空いてる部屋に案内して差し上げて。」
エティアスとカリアンが城の従者に案内されるとリアはセシアに尋ねた。
「お姉ちゃん王女様だったんだね、あの二人お姉ちゃんの従者なの?」
「いいえ、リアちゃん私の大事な人達よ。」
エティアスとカリアンと再び一緒になったセシアはルアの暖かさに感謝していた。
つづく




