アナの本当の実力
カルザスの元で騎士見習いとして訓練を開始してか一か月ほど経っていた。週末以外は厳しい訓練を受けて週末に一度ゾルフィの背に乗ってやって来るルアとセシアそしてリアと顔を和わせていた。ルファール王国の騎士見習い達の技量は高く、実戦形式の訓練でのルシアンのランクは下から数えた方が早いくらいだった。
「この国に来るまでは剣の腕はそこそこ高いと思ってたけど上は実際には際限なくいるな。」
「そうだな。でもこの国の騎士を目指す。だろ?ルシアン。」
「ああ、お祖父さんの様な騎士になるのが目標だからな。」
休憩時間が終わりその日もルシアンとサーディスは剣術の訓練に明け暮れていた、そんな中教官がやって来る。教官がルシアン達や他の騎士見習い達に自身の前に整列するすようにいうとルシアン達は急いで整列して敬礼をした。教官は敬礼を返すと言った。
「今日は新く訓練に参加する方を紹介する。殿下、こちらへ」
教官がそう言うと出入り口からアナがやって来た。その様子をみてルシアンとサーディスは驚き他の騎士見習い達もどよめいた
「静かに!!」
教官が言うと騎士見習い達は無言になった。
「騎士見習いの諸君!こちらの方は今日から訓練に参加されるアストリア王国の王女アナ殿下だ!とはいえ訓練の内容や食事は諸君らとまったく同じで特別扱いはしない!諸君らも同じ騎士見習いとして接するように!以上だ!訓練を再開してくれ!」
訓練を再開するとアナは他の騎士見習いの一人と剣術試合を申し込んだ。騎士見習い達の中でも上位に入る腕前を誇る男だった。
試合を開始するとアナはその男を圧倒していた。訓練をしてていた騎士見習い達や教官もその様子を想わず見て驚愕していた。
ルシアンは手合わせした時アナに手加減れていた事に初めて気が付いた。訓練がおわるととアナに騎士見習い達が群がってくるがアナは興味を示さずルシアンとサーディスの所に話かけに来た。
「また一緒ね。よろしくね。」
「いやいや、アナの剣術にはおどろいたぜ。ルシアンと戦った時は本気じゃなかったんだな。」
「悔しいけど今の俺じゃ敵わないな。」
「ルシアン、あなたと手合わせして感じたけどポテンシャルは凄く高いと思うわ。」
「ありがとう、アナ。」
「食堂にいくわ、あなた達も一緒にどう?」
ルシアンとサーディスはアナの誘いを受けると食堂に向かった。食事をとりながら三人は話ていた。
「セシアやシャノア、リアちゃんには会ってるの?」
「セシアとリアちゃんは決まって週末にルア様ときて会ってるぜ。」
「シャノアは?」
「聖都ウィシャレルのジラルド様の元で目下修行中のようだな。セシアの所に手紙がよく来るそうだぜ」
「そう、週末には私も会いたいわね。」
「皆、喜と思うよ。是非」
三人は食事を終えるとアナは部屋だけは特別な女性の客室向かい。ルシアンとサーディスは同じ騎士見習いの部屋に向かった。ハードの訓練を終えてサーディスとの会話もそこそこにルシアンは深い眠りについた。
つづく




