ルファール王国へ向かう3人
その日エティアスは手紙の配達員から届けられたセシアの手紙を読んでいた。読み終えた手紙を無言でカリアンに渡す。カリアンは手紙を読み終えると口を開いた。
「ルシアン君がルファール王国の伯爵の血を継いでいるとは驚きですね。」
「それよりセシア様の事だ!突然王都へと向かったと思ったら今度はルファール王国とは、、!。」
「少し落ち着いて下さいエティアス。魔物や隣国の脅威のないルファール王国に居ることの方が安全です。」
「しかし、私はザナン三世陛下からセシア様の事を頼まれた身だ!直ぐにルファール王国のアシナント女伯様の街に向かうぞ。」
「私も一緒に行きますよ。エティアス。」
「ゼノス伯爵の了解は得たのか?」
「伯様様は生涯をセシア様に仕える様に私に言われました。私達の主は違えどセシア様に仕えるという点では私も同じです。私の命がある限りセシア様にお仕えするつもりですよ。」
「それなら何故、王都へ向かう時に私を止めた?」
「それがセシア様の心からの願いだと思ったからですよ。」
「セシア様の心からの願い?」
(色恋沙汰には鈍いですねこの人は、、、冒険に憧れるだけでなくセシア様のルシアン君を見る目に気付いてないのでしょうか、、、。)
「セシア様もご自身の願いがあるという事です。貴方の心配する気持ちは分からないでもないですが私はセシア様が願うことをこれからも応援するつもりですよ。エティアス、貴方もそうありたいと思いませんか?」
「、、、お前の気持ちは分かった。」
「それでは、私達もルファール王国へと向かいましょうか。エティアス」
「ああ、直ぐに向かおう!」
同じ頃アストリア王国の王都ではアナが国王と話あっていた。
「父上、どうかルファール王国へ剣の鍛錬に行く事をお許しください。」
「アナよ、そうは言ってもお前は王女なのだぞ、、、。」
「なればこそ私は王家の武を極める者としてありたいのです。」
「、、、、、ふむ。メイリよ、姉としてお前はどう思う?」
「私はアナが剣の腕で名声を得ればこのアストリア王国にとっても名誉になると思います。それにこう言っては何ですがアナとシャーディには自由に生きて欲しい、そう思います。この国を背負うのは私の役目です。」
「メイリお姉さま、私もこの国を背負う力になりたいと思ってますわ、そして小さな頃から武に長けているアナお姉様の事も誇りに思ってます。だから私もアナお姉様がルファール王国へ修行に行く事に賛成です。」
「、、、分かった。しかしアナよ、私は王としてだけではなく父としてお前の身が心配なのだ。くれぐれも無理はするなよ。」
「分かりました、父上。ありがとうございます。それでは私はこれで。」
そう言いロアからカルザス宛への手紙をうけるとアナは謁見の間を後にしてアストリア王都からルファール王国へと旅立った。




