聖都
ルシアンの叔祖母であるルアと会いその居城で一泊したルシアン達はルアと共に馬車に乗り、10日ほどかけてルファール王国の白の女王と呼ばれるノエリアの居城がある聖都ウィシャレルと呼ばれる都へと着いた。馬車を降り都には入ると大きな聖堂と美しい城が目に入る。シャノアが大聖堂をも見て口にした。
「凄く大きな聖堂だね!」
「そうね、報告が終わったら寄りましょう。」
ルアがそう言うとルシアン達は王城を目指した。都を歩いていくと人々が目に映る。どの人々も白い服を着ていてルファール王国の中心地だがカリュ神を信仰し欲を捨て簡素に生きるというという教えを大事にするためか何処か都とその人々は清貧さを感じさせた。
居城に着き大きな門にくるとルファール王国の女伯であるルアを目にして門番達は直ぐに中に通してくれた。謁見の間の前の扉に着くとルアの話を聞いて前に立つ近衛騎士が中へと入れてくれた。中に入ると玉座には白の女王ノエリアが座っていた。ノエリアの前まで進みルシアン達が膝を着くとノエリアがルアに声を掛けてる。
「お久しぶりです。今日は何の御用でしょう?アシナント女伯。」
ノエリアの質問にルアが答える。
「はい、女王陛下、本日はアストリア王国の王女アナ様から報告があり案内しました。」
ノエリアはアナを見ると声を掛けた。
「お久しぶりですね、アナ姫君、まだ貴方が幼い時に会いましたね。覚えていますか?」
「はい、ノエリア様。今日は父からの手紙を届けに参りました。」
それを聞いたノエリアの従者の一人がアナから手紙を受取ろうとする、アナがその手紙を従者に渡すと従者はそれを受け取り次にノエリアに手紙を渡した。手紙の内容を見てノエリアがアナに言った。
「内容は分かりました。アストリア王国が危機の時には再び白聖騎士団や他の騎士団を派遣させることを約束します。」
「ありがとうございます。ノエリア様。」
「今日の話は以上ですか?」
ノエリアがそう言うとアナがノエリアに白聖騎士団に知らせる役を自身とルシアン達に任せてもらうように頼んだ。
「女王陛下、この私の姪孫をフラック侯爵閣下に会わせたいと思いますので侯爵閣下の報告は私とこの方々にお任せください。」
「貴方の姪孫ということは前アシナント伯アルシ殿の孫ですね?貴方の名は?」
ノエリアがそうルシアンに聞くとルシアンは自身の名を名乗った。
「前アシナント伯とフラック候が上官、副官だけの間柄ではなく深い仲でもあった事は聞いています。分かりました、その役割皆さんにお任せしましょう。ルシアン、英雄の孫に会えてうれしく思います。今、手紙を書きます。」
「こちらこそご拝顔出来て光栄の至りです、ノエリア女王陛下。」
ノエリアは手紙を書くと従者を通してカルザスへの手紙を渡した。
「女王陛下、それでは私達はこれで」
「分かりました。皆さんお下がりください。」
ノエリアがそう言うとルシアン達は一例して謁見の間を後にした。
城を出る途中でシャノアがノエリアの顔を思いだいして言った。
「ノエリア様って優しそうで綺麗でボク憧れちゃったな。」
「そうですね、シャノア。」
「私もそう思ったよ、シャノアお姉ちゃん。」
セシアとリアがそう答えるとルアが言った。
「ふふふ、本当に女王陛下はこの国の宝なのよ。皆、今度は大聖堂に寄って大司教様にお会いしましょう。」
「待ってました!楽しみだね。そう言えばアナ、アストリア王都の空いた教会の司祭様はどうするの?」
「大司教様に新しい司祭様を赴任してもらうようにおねがいしてみるつもりよ。」
シャノアとアナがそんな話をしながらルシアン達は大聖堂に向かい着くと中に入る。大聖堂の奥には何名もの司祭達がいてその中の若い一人がルアを見ると声を掛けて来た。
「これはアシナント女伯様、先日のご寄付はありがとうございました。」
「いえいえ、今日は大司教様はどちらに?」
「今から呼んで参ります。」
暫く待つと先ほどの若い司祭と立派な髭を生やした温厚そうな人物がやってる。髭を生やした人物はルアに親しげに声を掛ける。
「ルア様、今日はいかがされましたか?」
「ペレイヴァ様、今日はこの子達に大聖堂の様子を見せにきましたわ。」
「そうですか、私はジラルド・ペレイヴァ。偉大なるカリュ神に仕える者です。皆様よろしくお願いいたします。」
「皆、この御方、ペレイヴァ様が大司教様なのですよ。」
ルアの一言を聞いたルシアン達は手を合わせて一礼するするとジラルドも同じように返した。アナがアストリアの王都での出来事を話すとジラルドは申し訳なさそうに謝り自身の信頼する司祭を使わすことを約束してくれた。大聖堂を見て回ると奥に聖神カリュの像があった。シャノアはそれを見るとカリュ神の像に祈りを捧げる。ジラルドはそれを見るとシャノアに話しかけた。
「貴方はとても信心深そうですな。」
「はい!大司教様、ボク、司祭を目指しているんです。」
「そうですか、貴方の様な方なら大歓迎です。もし親御さんが許すのであれば是非見習いの司祭としてこの大聖堂にお越しください。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
大聖堂内を見終えるとジラルドに挨拶して大聖堂を後にするとシャノアが皆に言った。
「ボク、フラック侯爵様にあった後ここに戻って司祭を目指すよ!」
サーディスが嬉しそうに話すシャノアに家族の了承を得なくて良いのか聞くと元々次の誕生日を迎えたら司祭見習として元いた町から出るつもりだった事を話した。そんなシャノアは皆に聞いた。
「この旅が終わったら皆はどうするの?」
「俺とルシアンはフラック侯爵閣下の騎士見習いに志願するつもりだせ。」
「私も聖騎士の剣の訓練に興味があるわ。」
「アナは王女だろ?」
「私は後継ぎじゃないし剣の道を進みたい。そう思っているわ。」
「セシアお姉ちゃんは?」
「私は魔術師になりたいと思ってますけど。皆との旅が終わったらどうするかよく考えてみます。」
「皆、離ればなれになるの、、、、?私、皆の近くに居たい」
「ルシアン、この子の親御さんは?」
ルアがそうルシアンに質問した。
「身内の方はいないです。」
「そう、、、リアちゃん良かったらおばあちゃんの所でくらしましょうか?そうすればルシアン達に会えるでしょう?」
「セシアお姉ちゃんも一緒にいい?」
「勿論よ、私には血のつながった家族はいないから二人が来てくれると嬉しいわ。セシアちゃん貴方も良かったら私の所に来て頂戴。」
「ご迷惑ではありませんか?」
「いいのよ、迷惑なんてことはないわ。貴方が来てくれるなら知り合いの魔術師に魔法を学べるように計らってみるつもりよ。」
「セシア受けとけよ。ルシアンの近くにもいられるぜ?」
「サーディス、お前!」
サーディスの一言に慌てるルシアンを見てセシアは決心した。
「ルア様、よろしくお願いいたします。」
「うふふ、リアちゃんにセシアちゃんこれからよろしくね。」
「うん、おばあちゃん!よろしくね!」
「ルア様、よろしくお願いいたします。」
そしてルシアン達は馬車に乗りカルザスの領地へと向かった。
つづく




