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剣聖の孫  作者:
18/44

リアの脱出

 教会の地下室に監禁されていたリアはノアと他の子供達と逃げる為にどうするかを話し合っていた。最年長のノアともう一人の身体の大きい男の子はリアの逃げるという案に賛成していた。リアと同じくらいの年齢の女の子は皆逃げ出すのは無理だといい反対した。


 「ボクはリアに賛成するよ、このままだと奴隷にされるだけだよ。君も一緒ににげようよ。」


 ノアの言葉に体の大きな男の子が賛成する。


 「どうせお母さんもお父さんもいないしどうやって逃げるの?」


 「私の友達が来てくれるよ。」


 反対していた女の子はリアに尋ねた。


 「友達って?」


 「大きくて空をとべるお友達。ノア君、あの大男が来たら注意を引いてくれる?」


 「いいけど、どうするの?」


 「ここから逃げて友達と戻ってくる。約束するから皆は待ってて」


 「分かった。リア」


 リア達は大男が来るのを待った。そして大男が食事を運んで来て扉を開けるとノアと体の大きい男の子が大男に飛び掛かった。


 「お前達!なんの真似だ?!」


 リアは檻の外へ出て走り出した。


 「まて!」


 大男はノアと体の大きい男の子を振り払おうと暴れるとリア達の意見に反対していた少女が大男の足を引っ張った大男はバランスを崩して頭を打ちその場に倒れこんで気絶した。


 地下室から逃げ出したリアは聖堂に辿り着いたそこには司祭が立っていた。


 「どうやって逃げ出したんだ!?」


 リアは何も答えず出口まで走る。


 「このガキッ!!まて!!」


 司祭に追いつかれて腕を捕まえられる。


 「逃げられると思ったか?お前は最も過酷な所へ送るようにしてやる!!」


 「ゾルフィ!!!!」


 そうリアが叫ぶと聖堂の屋根が崩れ落ちてゾルフィが中へと入ってる。司祭はゾルフィを見て恐怖してリアを掴んでいた腕の力が抜ける。リアはゾルフィの元へと走ってゾルフィに頬ずりをした。


 「ゾルフィ、ありがとう。」


 「クルルッ!」


 ゾルフィはゆっくりと司祭に近寄って行く。


 「お、俺が悪かった、、、皆、逃がしてやる!、、だからその化け物を近寄せるないでくれ!」


 「ゾルフィは化け物なんかじゃない!!」


 リアがそう言うと衛兵達と続いてルシアン達が聖堂に入って来る。


 「リアちゃん!」


 「お兄ちゃん!お姉ちゃん!皆!」


 「司祭様が襲われているぞ!」

 

 そう言って衛兵の一人がゾルフィに向かってクロスボウを構えた。


 「待ちなさい!!」


 アナがそう言った瞬間クロスボウの矢が放たれた。


 「ゾルフィ!!」


 リアはゾルフィの前に立ってゾルフィを庇った。クロスボウの矢はリアの胸に突き刺さりリアはその場に倒れた。


 「リア!!!」


 「リアちゃん!!」


 ルシアン達は倒れたリアの元へ駆け寄った。ルシアンはリアを抱いて声を掛けた。


 「お兄ちゃんごめんなさい、、、、。約束破っちゃった、、、」


 「いいんだ。リア!もうしゃべるな!シャノア!」


 「このままだと回復魔法使えないよ!矢を抜かないと!!」


 「誰か!!治癒師を連れてきなさい!それからあのグリフォンは攻撃するな!」

 

 「しかし、、」


 「いいから、早く治癒師を!!」


 「ハハッ!」

 

 「お兄ちゃん、お姉ちゃん来てくれてありがとう、、、、、」


 リアはそう言って目を閉じた。


 ルシアン達は何度も目を閉じたリアに声を掛け続けた。治癒師が到着すると応急手当を受けてリアは運ばれた。リアが運ばれると地下室から捕らわれていた子供達がやって来る。


 「これは一体、、、」


 司祭を指さしてノアが兵士達とアナに言った。 


 「その司祭はボク達を奴隷として売り渡そうとしてんたんです。」


 「!?」


 「司祭殿を捉えて牢に、私が詳しく聞くわ。それから子供達を王宮へ連れて何か食べ物や飲み物を出すように。」


 「分かりました、殿下。」


 司祭は捕らわれて子供達は王宮へとまねかれ、ゾルフィは教会に少しの間留まると再び山へと帰っていった。リアが倒れてから二日後、リアは王宮の一室のベットで目を覚ました。周りにはルシアン達が居た。


 「、、、お兄ちゃん、お姉ちゃん?」


 「リアちゃん、目を覚ましましたね、良かった。」


 「、、、、ゾルフィや皆は?」


 「ゾルフィは王都の外へでて捕らわれていた子達は皆王宮で保護されましたよ。何も心配しなくて大丈夫です。リアちゃん」


 「ルシアンお兄ちゃん約束破ってごめんなさい。」


 「いいんだ、リア、怪我が治ってよかった。」


 「リアちゃんとゾルフィのお陰で助かった子が感謝してるよ!お手柄だね!」


 「リアちゃん、何かお願いはないか?可能な事ならきくぜ?」


 「お願い?、、、、それなら私、お兄ちゃん、お姉ちゃん達と一緒に居たい。」


 「、、、、」


 「皆!一緒につれていこう?リアちゃん一人にすると無茶するかもしれないし」


 「、、、、、、そうだな、ルシアンもいいか?」


 「正直いえば安全な所に居て欲しい、だけど望むならそれでいいよ。」


 「ありがとう皆!」


 「近々別の国に行くんだよ!それまでゆっくり休んでね。」


 「、、、置いていかない?」


 「ああ、リア、約束だよ。」


 ルシアンの一言に安心するとリアは再び眠った。それから5日後アナとリアを加えたルシアン達はルファール王国へと旅立つ準備を終えた。リアは最後にノアや他の捕まっていた子供達に挨拶をした。


 「リア、ありがとう」


 「ノア君、元気でね。」


 「また会えるかな?」


 「うん、いつかゾルフィと会いにいくね。」


 リアの挨拶が終わるとルシアン達は王都を後にしてルファール王国へと向かった。


 つづく


 

 

 


 

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