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剣聖の孫  作者:
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王女アナ

 リアを教会に預けたルシアン達は王城へとたどり着くと衛兵にゼノス伯爵の手紙を渡す、すると暫く待つように言われ、少し待つと国王ロアに会わせるためルシアン達は謁見の間まで来るようにと衛兵から伝えられた。謁見の間に向かうと王城の大臣が顔を出し間もなくアストリア国王ロアがやってくることを告げる。少し経つとロアが従者と2人の王女メイリとシャーディを連れて姿を現した。ルシアン達はロアが玉座に座り声が掛かるまでその場に膝間づく。


 「良く来てれた、皆、面を上げよ。」


 ルシアン達がロアの方へ顔を向けるとロアはルシアンとサーディスを見て声を掛けた。


 「久しぶりだなサーディスだな?見違えたぞ。それにそこの黒髪の青年よそのサーコートはルファール王国の上級騎士のものだな。まだ若いようだがそなたはルファール王国の騎士か?」


 「いいえ、これは私の祖父から譲り受けたものです、陛下」


 「祖父とはまさかアルシ殿の事か?」


 「はい、陛下。」


 「そなたの名前は?」


 「ルシアンと申します。」


 「ルシアンよアルシ殿は元気か?」


 「祖父は魔物と魔獣の襲撃を受け命を失いました。」


 「、、、、そうかアルシ殿とは私がまだ若い時何度となく顔を合わせていた。もう一度会いたいと思っていたがとても残念だ、、。」


 つづけてロアは口を開いた。


「しかしギリア王国が再び動いたとするとまたこの王国は窮地に立たされるだろう。私は直ぐにでも諸侯と会議を開き近く同盟国のエストア王国へと向かうメイリよ、お前は私の代理としてムスガルニアへ赴いてくれ。」


 「分かりましたお父様、ルファール王国へはアナを?」


 「うむ、アナは何処か?」


 「恐らく街の様子を見に行って居ると思われます。」


 「直ぐに探しだして連れてくるのだ。」


「その必要はありません、父上。」


 ルシアン達の後ろから声がすると教会を案内してくれたフードを被った女性がやって来てロアの横に立ちフードを脱いだ。金色の髪を後ろで束ねたその女性の容姿はとても端麗だった。ルシアン達を見たその女性は言った。


 「貴方達は、、。」


 「先ほどはありがとうございました。アナ殿下。」


 そうサーディスが言うとロアが口を開いた。


 「アナよ、南のゼノス伯爵の領内で魔物達が町を襲撃したようだ。お前には同盟国であるルファール王国へと私の代理として行って貰いたい。」


 「分かりました父上。」


 「それからルシアンよ私からそなたに提案がある。」


 「どのような事でございましょう?陛下。」


 「そなたは英雄騎士でありルファール王国の伯爵でもあったアルシ殿の血を継ぐ者、このアナに同行せぬか?」


 ルシアンはアルシが爵位を持つ貴族でもあった事に驚きそして決めた。


 「仰せのままに陛下。」


 「うむ、今日はゆっくり休んで近日中にルファール王国へと向かってくれ。誰か!この5人の泊まる部屋へと案内してくれ。」


従者にそれぞれの部屋と案内され従者が去ると5人はルシアンの部屋に入った。


 「ルシアン、俺もルファール王国へいくぜ。」


 「サーディス、いいのか?」


 「俺とお前はいつも一緒にだろ?それにルファール王国の聖騎士になる方が名誉かもしれないしな。」


 「カリュ様を信仰するボクとしてもその総本山のルファール王国には一緒にいかなきゃね。」


 「私も一緒にまいります。」


 「シャノア、セシアお嬢様、、しかし」


 「ルシアン、最初は俺も反対だったけどこの王都に来るまでに二人に救われているだろ?ここは了承しようぜ。ていうことでマイケル!親父によろしく伝えてくれ。」


 「分かりました。サーディス様」


 「セシア、ボク達もエティアスさんやカリアンさん達に連絡の手紙を書かなきゃ!」


 「そうですね、シャノア。」


 セシアは急いで手紙を書くとマイケルにお願いして渡した。


 「私は早速ゼノス様とノーゼン様の元へ戻ります。皆さん、ありがとうございました。気をつけて行ってきてください。」

 

マイケルはそういうとルシアン達と別れて部屋を後にした。


しばらく4人で話していると部屋がノックされてアナが外から声を掛けてくる


 「貴方達ちょっと来てくれる?」


 ルシアン達のその呼びかけを聞いて部屋を出るとセリアが案内するままについて行った。アナに案内された場所は騎士達の訓練部屋だった。サーディスがアナに聞いた。


 「アナ殿下、どうしてここへ?」


 「一緒にいくなら剣の腕を見ておきたいわ、特に剣聖と呼ばれた孫の貴方のね。」


 アナはそうルシアンに言った。アナの真剣な瞳を見てルシアンは剣を交えることに承諾する。武器は自分自身が最も得意とするモノを使うという提案だった。ルシアンが練習用のクレイモアを手にするとアナはバスタードソードを手にした。ルシアンがクレイモアを構えるとアナもバスタードソードを両手に構える。サーディスの合図と共に素早くアナがバスタードソードを振るって行く。ルシアンはその攻撃を受けた。


 (素早さも力もある、、、サーディス並みに強いかもしれない。)


 ルシアンがフェィントで隙を見せるとアナが練習用のバスタードソードで力を込めて振り下ろそうとする。ルシアンはそれをバックステップでかわしてアナの剣が振り下ろされた瞬間、距離を詰め練習用のクレイモアでアナの首に触れるギリギリの所ま突いて練習用のクレイモアをを止めた。


 「私の負けね、流石は剣聖と言われた人のお孫さんね。」


 「いえ、俺では何回勝てるか分かりません、殿下。」


 「ありがとう。改めて自己紹介するわね、私はアナ・ディレル・アストリア。知っての通りこの国の第二王女よ、よろしくね。貴方達の事を聞かせて。」


 ルシアン達はそれぞれ自己紹介すると自身達が居た町が魔物達に襲われた事を話した。


 「、、、、、それは気の毒だったわね。」


 「いえ殿下、ルファール王国へはいつ出発を?」


 「一週間以内には、、、、、皆、食事は食べたのかしら?」


 「そういえばボクもお腹空いた。」


 「フフッ、なら今日は私からの気持ちでこの王都で一番良い料理屋の所で食事をどうかしら?」 


 その一言にシャノアは目を輝かせて応えた。


 「ありがとうございます!皆もいいよね!」


 「ありがとうございます。アナ殿下。」


 「あれ?サーディス、アナ殿下の前ではいつもの調子じゃないね!」


 「シャノア、お前な~!」


 「いつもの調子になりましたね。」


 セシアの一言とその様子を見ていたアナは笑ってルシアン達を案内する。5人が城を出ようとすると兵士が慌てて城の中に入ろうとする。その様子を見たアナが兵士を止めて聞いた。すると王都に一匹のグリフォンが現れたと兵士は言った。


 「グフォンってまさかリアちゃん?!」


 「リアちゃん?」


 「最初に会った時連れていた女の子です!!」


 「グリフォンと何の関係があるの?」


 「リアちゃんは野生の動物と心を合わせたり出来るビーストテイマーの資質をもつ子の様なのです!そのグリフォンはリアちゃんの大事な友達かもしれません!」


 「ルシアン!とにかく教会の方へいこうぜ!」


 「私も行くわよ!」


 「分かりました殿下。皆急ごう!!」


 ルシアン達は教会へと向かっていった。


 つづく

 

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