囚われたリア
王都に着いたルシアン達はまずリアを預ける為シャノアの提案でこの世界ハルウニアを創造したとされる聖神カリュの教会を探した。サーディスがすれ違うフードを被った女性に教会はどこかと声を掛けた。女性は親切に教会までルシアン達と共に歩き案内してくれた。道中フードを被った女性がルシアン達に質問した。
「貴方達は教会に何の用なの?」
「この子を引き取って貰えるようにお願いしにいくんです。」
「、、、、、そう。」
教会に着くとサーディスが女性にお礼に銀貨を渡そうとすると女性は断ってその場を早々に後にした。教会に案内されたルシアン達は中に入り司祭と会った。シャノアとサーディスが事情を話すと司祭は快くリアを引き取ることを承諾して里親が見つかるまで預かることをルシアン達に約束した。リアを司祭に頼むとルシアン達は別れを告げる。
「、、、、、、お兄ちゃん、お姉ちゃん、皆、行っちゃうの?」
その一言がルシアン達の心に突き刺さりセシアが言った。
「ごめんなさい、必ずまた会いにきます。リアちゃん。お姉ちゃんの約束です。」
そう笑顔で約束したセシアにリアは抱きつき泣きながら約束を必ず守ってと言いった。リアはルシアン達にお別れを言った。教会を去るルシアン達の姿が無くなるまでリアは見送った。ルシアン達が去ると司祭の態度は急変して司祭は言った。
「一緒に来い!ガキっ!!」
「キャっ!!痛い!」
司祭は無造作にリアの手を引っ張り教会の中へと連れて行った。中に連れられると先ほどは居なかった大男がいて司祭はその男にリアを地下室に連れて行くよう命じた。大男はリアを担ぐと地下室に向かい檻の扉を開けて中に入れた。檻の中にはリアと同じくらいの子供たちが何人もいた。
「、、、お嬢ちゃんこれから君はいいところに行くからね。大人しくしているんだよ。お前たちもだ!!」
大男は檻の扉に鍵を掛けると上へと去って行った。檻の中の一人の少年がリアに声を掛けた。
「大丈夫?ボクはノア、君は?」
「、、リア」
「いい名前だね。よろしくね、リア。」
「ここの皆は?どうして?」
「、、、僕たちは奴隷にされるんだ。」
檻の中にはリアより小さい子供達もいた。リアその子供達と話をした、檻に入れられた子達は皆親がいない子供達だった、ノアからこの教会の神父は表向きは小さな身寄りのない子供達を預かり里親へと送ると言いながら裏ではそうした子供達を奴隷商人に売り渡すような男であることをリアに告げるとリアはゾルフィを呼ぶ決心をした。そしてゾルフィを呼ぶと約束を破ってしまうことに心の中で詫びた。
(お兄ちゃんごめんなさい。)
つづく




