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剣聖の孫  作者:
15/44

王都へ向かう途中で

 リアを連れてルシアン達は村を後にすると、王都へ地図を見ながら歩いて行く、すると大きな川があり橋が壊れていた。地図を見て迂回するルートを確認するとかなり長い道を歩かなければならずルシアン達は頭を悩ませた。そんなルシアン達を見てリアが人目が無いことを確認するとゾルフィを呼ぶ。


 (ゾルフィ、、、、私の所へ来て!)


 「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ゾルフィを呼んだから待ってて」


 「リアちゃん、ゾルフィはあまり呼ばないように約束したよね。」

 

 「、、、ごめんなさい。」


 泣きそうになるリアを見てシャノアとセシアが割って入って来る。

 

 「まあまあ、ルシアン君。ボク達の為に呼んでくれたんだし。」


 「リアちゃん、本当にありがとございます。」


 「、、、お兄ちゃんに嫌われた?」


 「大丈夫だよ!ほら!ルシアン君も何とか言って!」


 「ごめん、少し怒りすぎたね。」


 「ううん。」


 ルシアンがリアの頭を撫でるとリアはまた元気を取り戻した。数十分後にゾルフィがルシアン達の目の前に降り立った。


 「クルルル、、」

  

 「皆、二人ずつ乗って。ゾルフィ、お兄ちゃん達が背に乗ったら川の向こう側まで運んで。」


 「まさかグリフォンに乗る事になるなんてな。」


 そうサーディスがいうと最初にルシアンとサーディスがゾルフィの背に乗って反対側へと運ばれる。続いてシャノアとセシアが運ばれ最後にマイケルとリアが運ばれた。


 「この子の背に乗って飛ぶのって気持ちいいね!」


 「ありがとうゾルフィ、またね。」


 6人を運んだ後ゾルフィは近くの山を目指して飛んで行った。


 「これで王都までの道が開けましたね。」


 「リアちゃんとゾルフィのお陰だね!ありがとう!」


 そう言われたリアは照れながら5人の後をついて行った。それから二日後、王都のへと続く道の森にルシアン達は入った。森に入った頃には辺りは暗くなっていた。サーディスが火を起こして皆は野営の準備をした。火を囲んで食事を取り終えるとオオカミの遠吠えが聞こえて来る。


 「大丈夫かな?ボク狼は苦手。」


 「火もあるし大丈夫だろ?」


 ルシアン達は念の為交代で見張り役を立てた最初はルシアンとセシアが見張り役をすることになった。二人は皆が休むと色々な話をした。行ってみたい国や土地、好きな事、落ちた町で一緒に過ごした思い出などを語っているとリアがテントから出て来る。


 「どうしたんだい?リアちゃん。」


 「、、、う、うん私、いつもゾルフィと寝てたから一人だと寝づらくて、、、、。」


 「ルシアン君、私リアちゃんを眠らせにいってもいいですか?」


 「分かりました、後は俺に任せてください。」


 「リアちゃん、お姉ちゃんが一緒に寝ますよ。」


 「うん!ありがとう!お兄ちゃんもおやすみなさい。」


 「おやすみ、二人とも。」


 二人がテントの中に入るとルシアンは火を見つめながら交代の時間まで落ちた町の事やアルシの事を思い出して考え続けた。交代の時間になるとサーディスが起きてやって来る。


 「よお、何考えてるんだ?ルシアン。」


 「ああ、俺たちの町での出来事さ、もしギリア王国が仕組んだことなら俺はギリア王国との戦いに参加したい。」


 「そうだな、俺も、もしギリア王国が再び戦争を仕掛けて来るなら最前線で戦うことを申し出るつもりだぜ。何だかんだで俺たちはいつも一緒だろ?」


 「ああ、そうだな。」


 「後は俺に任せて今日は休めよルシアン。」


 「分かった、、、、、。サーディス」


 「なんだ?」


 「ありがとう。」


 そう言うルシアンにサーディスは手を振って応えた。日が昇るとルシアン達は再び森を歩き出す。すると狼の鳴き声が聞こえた。ルシアンは狼を警戒して女性三人に言った。


 「近いな、リアちゃんとシャノアとセシアお嬢様は真ん中へ」


 「先頭は俺とマイケルがいくぜ。」


 そうサーディスが答えるとルシアンはクレイモアを抜き後方に立ちサーディスとマイケルもそれぞれの武器を手に先頭にたった。6人は慎重に森を進んでいく。再び狼の遠吠えが聞こえるとサーディスとマイケルの前に三頭の狼が姿を現す。サーディスが止まると6人の周りを囲んで狼が次々と姿を現した。サーディスは舌打ちするとセシアにファイアーボールの魔法が使えるか聞いた。セシア使えるが実際の戦いでは初めてだということを伝えるとサーディスはいつでも放てるように準備しておくようにセシアに言った。狼の一頭ががうなり声を上げてルシアンに飛び掛かろうとするが急に動きが止まった。周りの狼達もその場に座り込む。


 「一体どうしたんだ??」


 ルシアン達が呆けていると一際大きい狼の一頭が姿を現す。今度は真ん中にいたリアが大きな狼にちかよる。


 「リアちゃん!」


 「大丈夫、シャノアお姉ちゃん。少し話しかける。」


 リアが大きな狼と心で語り合うと大きな狼が鳴いた。すると周りを囲んでいた狼達は次々にその場を去り最後に大きな狼も姿を消した。


「リアちゃん、あの狼と何を話したの?」


 「うん、、、あの狼さんは群れのリーダーでこの近くで雌の狼が子供を産んだんだって、だから子供達に危害を加えないか警戒してたんだよ。」

 

 「ビーストテイマーって凄いね!」

 

 「シャノアお姉ちゃん、ビーストテイマーって何?」


 「うん、動物達と心を通わせることが出来る素敵な人たちのことらしいよ!」


 シャノアの誉め言葉にリアは照れて皆の役に立てて嬉しいと言い6人は再び森を歩き出した数十分もすると森を抜け王都が見えて来る。

  

 「もう目のまえですね。」


 そして六人は王都へと向かった


 つづく

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