王都への伝令志願
ゼノス伯爵の城塞都市にたどり着いたルシアン達はノーゼンと共に伯爵に町が壊滅したことを伝えていた。報告を聞いたゼノス伯爵は口にした。
「、、、、、オークや魔獣達に襲われたか、、。」
「はい、ギリア王国が再び動き出したのかもしれませぬ。」
ノーゼンの一言にため息をついてゼノス伯爵は少しの間考えてアストリア王国の国王に使いを出すことにした。
「国王陛下に知れせを出す。ノーゼンよ、後で私の手紙を伝令兵に渡すように。」
「畏まりました伯爵様。」
「では皆、下がってよい。」
ゼノス伯爵の命令を受けたノーゼンは客室に6人を案内するとルシアンは自分を伝令兵に加えてもらえるように頼んだ。ノーゼンはルシアンの決意をみてそれを受け入れた。ルシアン以外の5人が客室に入るとルシアンはノーゼンと共に伝令兵達の居る場所へと向かった。一人の伝令兵が居てノーゼンを見ると敬礼して出迎えた。
「伯爵様が手紙を書き終えたら王都に向かい国王陛下にその手紙を届けるように、直ぐ動ける様にしておけ。
「ハイ!!」
「それとこちらの方を一緒にお連れしろ。私は手紙を受け取りに行く。」
ノーゼンは伝令兵にルシアンの事を伝えると後ノーゼンは去って行った。伝令兵はルシアンに話しかけた。
「そのサーコートは、、、、、ルファール王国の聖騎士の方ですか?」
「いいえ、俺の祖父の形見です。」
「ということは英雄アルシ様の?アルシさんは?」
「魔物達と戦って亡くなりました。」
「気の毒に、、、貴方のお名前は?」
「ルシアン、ルシアン・カイアスです。」
「俺はマイケル、よろしくお願いします。」
マイケルと話を終えたあと少し経つとノーゼンが手紙を持って再びやって来てマイケルに手紙を渡した。
「行って参ります!ノーゼン様。」
「うむ気を付けてな、ルシアン殿もお気をつけて。」
「ありがとうございます。ノーゼンさん」
ルシアンとマイケルが城の外へ向かおうとするとサーディスが立っていた。
「サーディス!」
「俺もいくぜ。ルシアン。」
「伯爵様には話したのか?サーディス」
「いや、だけど俺は後継ぎじゃない。それにどうせ騎士になるなら田舎の騎士より王立騎士団の騎士の方がいいだろ?マイケルもよろしくな。」
「分かりました。サーディス様。」
3人が城塞都市から出るとそこにはシャノアとセシアの姿があった。
「二人とも来たね!」
「シャノア、セシア、お前らどうしたんだよ?」
「ボク達もいくよ!」
「バカいうなよ!城で待ってろ。お前もだ、セシア。」
「今回は止めても無理だよ!」
「エティアスさんとカリアンさんはどうしたんだよ?」
「手紙を残しておきました。」
「そんな事言ったってお前ら二人は、、、」
「カリアンから魔法の訓練は受けています、それにシャノアも回復魔法が使えます。」
「ルシアン君はどう思う?」
「二人が心配だよ。シャノア。」
「行こうぜ、ルシアン、マイケル。」
ルシアン達3人が歩くとシャノアとセシアもついてきる。
「お前らついて来るなよ!」
「嫌だよ!絶対に行く!」
シャノアの一言にため息を着いてサーディスは言った。
「ああ!もう!ったくよ!二人とも絶対に俺たちから離れるなよ。ルシアンもそれでいいか?」
「、、、、ああ」
そしてルシアン達5人はアストリア王国の王都を目指して進んだ。
そのころシャノアとセシアが居ない事に気付いたエティアスとカリアンは話合っていた。
「少し落ち着いてください。エティアス」
「セシアお嬢様はゼノス伯爵様の姪だけでなくハートランド国王の血を引く王女だ。何かあっては陛下に顔向けできない!直ぐに私も王都に向かうぞ!」
「広い王都を探すのは難しいでしょう。それにザナン三世陛下は若かりし頃は冒険を好む方でセシアお嬢様はその血を引いているのでしょう。何よりザナン三世陛下は子供の意志を優先するお方と聞きます。セシア様は戦いの経験はありませんが私の教えた魔法がほぼ使えます。エティアス、私達は待ちましょう。」
「、、、、、連絡が来るまで1週間ほど待とう。もし来なかった場合は私一人でも行く。」
「その時は私もお供しますよ、エティアス。」
(セシアお嬢様はきっとルシアン君の事も気になっているのでしょうね、、、、。)
カリアンはそう心の中で思いエティアスと二人でセシアとそしてルシアン達を待つことにした。
つづく




